1991 Fiscal Year Annual Research Report
生物間調節機能を有する多官能性ジヒドロピラノン類のキラル合成と生物活性評価
Project/Area Number |
02660127
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉山 長美 東北大学, 農学部, 助手 (10125586)
|
Keywords | Phomopsolide B / キラル合成 / 外因性摂食阻害物質 |
Research Abstract |
1.Phomopsolide Bの合成 Phomopsolide Bは,ニレと共棲関係にあるカビの生産するジヒドロピラノンであり,ニレにとっては,ニレノキクイムシに対する外因性摂食阻害物質である。この化合物の改良合成にあたっては,DーGlucoseから誘導した(4S,5S,2E)ー4,5ーdihydroxyー2ーhexenal acetonideとethyl 4ー(2ーtetrahydropyranyloxy)ー3ーpyrrolidinoー2ーbutenoateとの反応(ジヒドロピラノン骨格形成反応)の条件を検討することにより,収率を64%に上昇させることができた。次のエナミン部分の還元およびアミンの脱離についても,2段階でかつての36%から,64%へと改良することができた。最終生成物のPhomopsolide B(3'S,4'S,5S,6S体)のMS,NMR,IRなどのスペクトルのみならず,融点(96ー97℃)や天然物との混融試験(96.5ー97℃)でも,天然物と完全に一致した。また,同時に得られた立体異性中間体から,Phomopsolide Bの立体異性体(3'S,4'S,5R,6R体)を合成した(比旋光度,-174°,メタノ-ル)。 2.Aspyroneの合成における立体選択性についての検討 Aspyroneの合成の最発見した立体選択的エポキシド形成反応について,モデル化合物を用いて,その反応の一般性について検討を加えた。
|