1990 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の発芽、初期生長におけるジベレリンの動態の解明
Project/Area Number |
02660134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助教授 (00012013)
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Keywords | アサガオの初期生長 / ジベレリンの動態 / イムノアッセイ |
Research Abstract |
アサガオの発芽時におけるジベレリン(GAs)の動態、並びに日長の効果を明らかにすることを目的として、アサガオ芽生えを25℃連続光下で10日間栽培した子葉、および25℃8時間日長(8時間光照射、16時間暗期)で10日間栽培した子葉それぞれ約400枚を20mMEDTA溶液(pH7.5)処理後、蒸留水に移し、浸出液を採取して篩管液とした。これを常法に従い溶媒分画して酢酸エチル可溶酸性(AE)区を得た。また、篩管液を採取した子葉は、80%アセトン溶液中でホモジナイズし、抽出した後溶媒分画して同じくAE区を得た。それぞれのAE区をDEAカ-トリッジを用いて前処理した後、センシュ-パックN(Me)_2を用いるHPLCにより精製し、各フラクションについて抗GA_3ーMe抗体、抗GA_<20>ーMe抗体、抗GA_<24>抗体を用いてラジオイムノアッセイ(RIA)を行い、それぞれの抗体に反応するGAsの検定を行った。連続光で栽培した子葉抽出液については、抗GA_3ーMe抗体を用いたRIAにおいて、GA_1、GA_3/GA_<20>のフラクションに顕著な活性が認められた。抗GA_<20>ーMe抗体を用いたRIAでは、GA_3/GA_<20>のフラクションに活性が認められた。二つの抗体の反応特異性から、GA_1とGA_<20>存在が確認された。25℃8時間日長で栽培した子葉についても同様の結果が得られ、子葉中のGA_1,GA_<20>については、日長の影響は認められなかった。篩管液についても、同様の結果が得られたが、篩管液中のGAの量は子葉中のそれの約10%であった。一方、抗GA_<24>抗体を用いたRIAでは、GA_<19>のフラクションに活性が認められ、特に篩管液中のGA_<19>の量は、連続光で栽培したものの方が25℃8時間長で栽培したものより数倍高い値を示し、アサガオの伸長と日長の関係は、日長によるGA_<19>の移行の制御を通して追究できる可能性が示された。
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