1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大東 肇 京都大学, 農学部, 助教授 (80026583)
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Keywords | 霊長類薬用植物 / Vernonia amygdalina / Lannea schimperi / vernodalin / vernoniosides / 抗腫瘍活性 / 苦味物貭 / 発癌プロモ-ション抑制物貭 |
Research Abstract |
新規天然生理活性物質を探索する目的で,熱帯アフリカ森林で霊長類が薬用的に利用していると推察される植物に着目し以下の研究を行った。 1.Vernonia amygdalina(キク科)の生理活性と活性物貭:本植物では,疾病状態のチンパンジ-が苦味性の樹液を摂取し,やがて平常の活動に戻ったことが観察報告されている。乾葉のメタノ-ル抽出物について,15種のin vitro試験系にて,生理活性を検討した。その結果,抗腫瘍,発癌プロモ-ション抑制及び免疫抑制活性等が認められた。抗腫瘍活性物貭としてvernodalinを初めとするセスキテルペンラクトン4種(いずれも既知)を単離同定した。これらは抗腫瘍活性等薬理的活性のみならず、多採な生物活性を示す可能性が示され,農化学的にも興味が持たれる化合物群である。Vernodalinは比較的多量に得られることより(600mg/100g乾葉),本物貭を出発として各種活性と構造との関係を追求中である。発癌プロモ-ション抑制活性は主としてソノ-ル酸,αーソノレン酸等C_<18>不飽和脂肪酸の存在で説明できた.また,免疫抑制活性は,精製分画により散逸することより,多種の物貭の総和により発現しているものと結論づけ,物貭レベルでの追跡は打ち切った.一方,V.amygdalinaは強い苦味を持っている。苦味は多様な生理活性を反映することが知られていることより,この苦味成分を究明した。その結果,3種の苦味物貭(Vernonioside A_1〜A_3)及び関連非苦味物貭(Vernonioside B_1)を単離構造決定した。これらはステロイド側鎖部の酸化状態が極めて新規なC_<29>ステロイド配糖体で,多様な生理活性が期待できる化合物群としてさらに研究を続行中である。 2.その他の霊長類薬用植物の生理活性物貭:Ficus exasperata,Aspilia mossambicensis及びLannea schimperiに中広い生理活性を認めた。それぞれの活性物貭を精製中であるが,これまでL.schimperi(ウルシ科)の抗腫瘍活性区分より主成分として一連のフラボノイド配糖体を単離した。
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[Publications] H.OHIGASHI: "Bitter principle and a related steroid glucoside from Vernonia amygdalina,a possible medicinal plant for wild chimpanzees" Agric.Biol.Chem.55. (1991)
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[Publications] K.KOSHIMIZU: "Physiological activities and active constituents of possible medicinal plants used by wild chimpanzees of the Mahale Mountains,Tanzania" Int.J.Primotol.12. (1991)
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[Publications] H.OHIGASHI: "Biological activities of plantーextracts of tropical Africa" African Study Monographs.
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[Publications] 地阪 光生: "野生霊長類の薬用植物,V.amygdalinaの苦味成分" 日本農芸化学会誌. 65. 364-364 (1991)