1990 Fiscal Year Annual Research Report
チャ赤葉枯病菌およびチャ輪斑病菌の代謝産物に関する化学的研究
Project/Area Number |
02660147
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
廣田 陽 大阪府立大学, 農学部, 講師 (40094510)
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Keywords | チャ赤葉枯病 / チャ輪斑病 / フェニル酢酸 / インド-ル酢酸 / オキシスポロン / 付傷接種法 |
Research Abstract |
1.静岡県茶業試験場,農水省野菜・茶業試験場の協力を得て、人工気象器内で生物検定が可能な赤葉枯病菌の生産する毒性物質の生物検定法を検討した結果、茶葉の付傷接種法を用いることにした。 2.培養条件を検討した結果、赤葉枯病菌Glomerella cingulataの生産する毒性物質を得るために、ポテト培地(ポテト煮汁にグルコ-ス、ポリペプトンを加えた培地)を用いて静置培養を行った。 3.(1)付傷接種法で生物検定を行うと、培養濾液の酢酸エチル酸性区分に毒性活性が現われた。 (2)酸性区分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(ベンゼンー酢酸エチル系)で精製を行うことにより、毒性活性を示す無色板状結晶(A物質)と微黄色粉末(B物質)の2物質を得ることができた。 4.A物質はマススペクトルにおいて分子イオンピ-クM^+m/2136基準ピ-クm/291を示し、また^1HーNMR、^<13>CーNMRスペクトル、融点などから、フェニル酢酸と同定した。B物質のマススペクトルは、分子イオンピ-クM^+m/2175、基準ピ-クm/2130を示し、^1HーNMRスペクトルなどより、B物質をインド-ル酢酸と同定した。 5.付傷接種法におけるフェニル酢酸とインド-ル酢酸の毒性活性は、比較的低かった。植物病理学者の研究では、チャ輪斑病菌が初期病斑を形成し、赤葉枯病がその病斑を拡大する可能性があるとされており、また最近オキシスポロンが輪斑病菌の生産する毒素として単離されている。輪斑病菌Pestalotia longisetaを培養し、オキシスポロンを精製・単離した。この輪斑病菌の毒素オキシスポロンと赤葉枯病菌の毒性物質フェニル酢酸とインド-ル酢酸との相乗作用の有無を付傷接種法で検定した。その結果それらの相乗作用は認められなかった。
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