1990 Fiscal Year Annual Research Report
2軸エクストル-ダ-による親油性液体香気物質の包接粉末化の研究
Project/Area Number |
02660148
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
古田 武 東亜大学, 工学部, 教授 (10026164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 英文 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (60174885)
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Keywords | シクロデキストリン / フレ-バ- / 香気粉末 / 包接複合体 |
Research Abstract |
2軸エクストル-ダ-を用いて,βーシクロデキストリン(βーCDと略す)とマルトデキストリン(MDと略す)の低含水率混合粉体とリモネンを混練後,これを乾燥して香気粉末を作成し,粉末中のリモネン残留率に与える種々の操作条件の検討ならびにX線ディフラクトグラム,固体NMRによる包接複合体量の定量分析法の開発をおこない以下の結果を得た。 1.混練中の試料を定時的に採取して乾燥後,リモネン残留率を測定したところ,リモネンとβーCDのモル混合比が1以上で初期含水率が20%以上の条件では,混練開始後約4分で残留率が極大となり,以後混練の進行と共に急激に減少し,平衡な最終残留率となることがわかった。最終残留率はほぼ全てのβーCDにリモネンが包接されていると仮定した計算値に等しい。βーCDとMDの混合比が1以下の場合には,初期含水率が20〜25%で最終残留率が極大になる現象が見られた。 2.リモネンとβーCDのモル混合比を0〜1の範囲で変えた混練乾燥試料を作成し,X線ディフラクトグラムを測定したところ,回析角5〜7および11〜12度に包接複合体の特徴的なピ-クが出現した。このピ-ク面積は包接複合体量の増加と共にほぼ直線的に増加することがわかった。同様の試料を固体NMRで測定したところ,そのピ-ク面積はX線の場合と同様な相関のあることがわかった。 3.βーCDとMDの混合粉体についても2.と同様な実験をおこなった。X線ディフラクトグラムのピ-ク面積は,MD量の影響も受ける。包接複合体と粉体のモル比を変数として相関したところ,±10%の範囲内で直線回帰できることがわかった。香気粉末の酸化安定性については,現在研究を続行中である。
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[Publications] 古田 武: "湿式混練法によるシクロデキストリン・親油性フレ-バ-包接複合体の形成" 化学工学シンポジウムシリ-ズ27「食品化学工学3」. (1991)
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[Publications] Hidefumi Yoshii: "Quantitative Analysis of Inclusion Complex between dーLimonene and ーCyclodextrin in ーCyclodextrin and Maltodextrin mixed Powder by Xーray Diffractometer" Agricultural and Bilogical Chemistry.