1990 Fiscal Year Annual Research Report
高結晶性および無定型セルロ-スの複合化に関する研究
Project/Area Number |
02660167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
空閑 重則 東京大学, 農学部, 助手 (60012051)
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Keywords | バクテリアセルロ-ス / 無定形セルロ-ス / マ-セル化 / 透析膜 |
Research Abstract |
入手した菌株の中では米国ATCC#23769株が最もセルロ-ス生産能力が高いことが分った。回転培養では静置培養よりも予想通り生産速度は大きくなったが、回転速度が速すぎると生産は阻害された。最適の速度は、直径15cmの培養ビンで毎分0.5回転であった。 大量培養したバクテリアセルロ-スを機械的に解繊し、希アルカリ処理により精製した。特製のガラス吸引ろ過装置を用いてこの懸濁液からシ-トを抄造した。このシ-ト調製において、別に調製した無定形セルロ-スの懸濁液を様々な比率で混入し、結晶ー無定形部比率の異なるセルロ-スシ-トを調製した。これらのシ-トについて力学試験を行なった結果、無定形セルロ-スの比率が増えるにつれて弾性率、破断強度は顕著に低下し、破断伸びは大きくなった。 これらのシ-ト、およびプラスチックシャ-レでの静置培養により調製したバクテリアセルロ-ス膜について透析性能の試験を行ない、市販の透析用セロファン膜と比較した。繊維を膨潤ー乾燥処理によりち密化する目的で、膜およびシ-トを20%水酸化ナトリウムで処理した(マ-セル化)。その結果バクテリアセルロ-スの膜およびシ-トは総じてセロファン膜よりも透過可能分子径(孔径)が大きいが、無定形セルロ-スの配合およびマ-セル化処理により孔径をある程度調節できることが分った。 このように、高結晶性および無定形セルロ-スの複合化と膨潤・再生処により、従来の膜にない特性を持つセルロ-ス透析膜を調製できることが分かった。
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