1990 Fiscal Year Annual Research Report
水分変化過程における木材のクリ-プ機構とその抑制法に関する研究
Project/Area Number |
02660168
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
伏谷 賢美 東京農工大学, 農学部, 教授 (80014950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敬一 東京農工大学, 農学部, 助手 (90178723)
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Keywords | 木材 / 集成材 / クリ-プ / 水分変化過程 / アコ-スティック・エミッション / アセチル化処理 / 熱刺激電流 |
Research Abstract |
1.水分変化過程におけるスギ材の曲げクリ-プとそれに伴い発生するアコ-スティック・エミッション(AE)特性について検討した結果、低応力レベルではAEの発生は殆ど認められず、高応力レベルでみられ、特にクリ-プ破壊に至る過程で多量のAEの発生が認められた。AEは不連続的に発生し、水分一定状態でAEが短時間に多く発生した後、クリ-プ量が著しく増加する傾向がみられた。しかし、含水率一定、吸湿、脱湿によるAEの発生の明確な差異は認められなかった、また、水分変化過程におけるクリ-プ量と水分変化量との関系は、負荷応力に依存することが見出された。 2.水分変化過程における木材素材と集成材の曲げクリ-プ特性について検討した結果、スギ材を用いた集成材の場合、吸湿過程のクリ-プ量は含水率変化量の増加に伴い直線的に増加するのに対して、素材の場合、徐々にその増加割合が減少する傾向がみられた。ブナ材を用いた集成材と素材の場合とも、含水率変化量の増加に伴いそのクリ-プ量の増加割合が増し、集成材のクリ-プ量の方が僅かに大きかった。脱湿過程のクリ-プ量と含水率変化量との間には、いずれの場合も直線関係が認められ、両樹種とも集成材の方がクリ-プ量が僅かに大きかった。 3.水分変化過程における集成材の曲げクリ-プに対するラミナをアセチル化処理することによる抑制効果を調べた結果、上中下層および上下層のラミナをアセチル化処理した集成材の場合、ほぼ同じ程度顕著な抑制効果がみられ、集成材では上下層ラミナの含水率変化を抑えれば、曲げクリ-プがかなり抑制できることがわかった。 4.双極子配向の脱分極に基づく熱刺激電流のピ-クは、水分一定よりも脱湿過程で分極したものの方が高く、高温側に現われ、後者の方が分子運動の活性度が高いことがわかった。
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