1990 Fiscal Year Annual Research Report
均一過ヨウ素酸酸化による新規セルロ-ス誘導体の調製とその物性
Project/Area Number |
02660176
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
師岡 敏朗 京都大学, 木材研究所, 助手 (00192378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則元 京 京都大学, 木材研究所, 教授 (20027163)
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Keywords | 過ヨウ素酸酸化 / 粘弾性 / 誘電性 / ジアルコ-ルセルロ-ス / 均一反応 / セルロ-ス |
Research Abstract |
セルロ-スおよびその誘導体は、一般に、かさ高いグルコピラノ-ス環を主鎖の繰り返し単位に持つことにより、大枠においてその物性を規制されている。グルコピラノ-ス環を開環することにより、主鎖の運動単位を分子寸法の小さい基に変換することができれば、従来のセルロ-スと根本的に異なる物性の発現が期待される。過ヨウ素酸酸化はセルロ-スの2、3位炭素間を選択的に開裂する点でこの目的に適する。本年度は著者らの開発した均一過ヨウ素酸酸化法を用いて、まず、高開裂率の2、3ージアルコ-ルセルロ-ス(以下DACと呼ぶ)を調製し、その熱特性を検討して流動温度付近で熱圧締し、フィルム試料を製作した。得られたDACフィルムについて温度ー190℃から200℃、周波数3.5から110Hzにわたって動的粘弾性、周波数30Hzから100MHzにわたる誘電測定、室温から200℃の範囲で引張試験を行った。動的粘弾性測定の結果、110Hzでー70℃、および112℃にピ-クを示す緩和過程を見いだした。第1の過程は、誘電緩和とも関係し、セルロ-スにおけると同様にメチロ-ル基の運動によると見なされた。一方、第2の過程に匹敵する過程はセルロ-スに存在せず、これはグルコピラノ-ス環のC_2ーC_3結合の開裂によって生じたものであり、主鎖のミクロブラウン運動によると考えられた。応力ー伸度測定から、DACのガラス転移点は80℃と推定された、これより高温側で伸度は200%に達した。
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Research Products
(1 results)