1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660192
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90114371)
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Keywords | シガテラ / 底生渦鞭毛藻 / 積分球式蛍光光度計 / 生体内クロロフィル蛍光 |
Research Abstract |
1.シガテラ原因渦鞭毛藻の現地調査および分離培養 平成2年6月に石垣島と慶良間諸島の阿嘉島において,シガテラ中毒の原因種およびその可能性のあると考えられる底生渦鞭毛藻を採集し,分離培養を行った.この結果,主な原因種であるGambierdiscus toxicusやProrocentrum lima等の他に,従来培養が行われていない,Sinophysis ebliorumとProrocentrum emerginatumの培養株を得ることが出来た.これらの毒性のについては東北大学安元教授に分析を依頼中である. 現地調査は平成3年3月にも実施し,分布密度の季節変化について研究を行う予定である. 2.積分球式蛍光光度計の開発 近年,浮遊性藻類の成長速度を求める方法として,蛍光光度計により生体内クロロフィル蛍光を測定することが広く行われている.この方法では,培養に用いる試験官を直接蛍光光度計の試料室に入れて測定を行うために,試料を分取したり顕微鏡下で計数したりする必要がないため,簡便でありまた短時間に多数の試料を処理することが出来る.しかし,通常の蛍光光度計では,均一に懸濁した試料についてのみ測定可能であり,付着藻類については測定することが出来ない.本研究では,試料を,内面を白色に塗った球体中に置き励起光及び蛍光を乱反射させて均一化した後に蛍光を測定する装置を開発し,付着藻類の生体内蛍光をモニタ-することに成功した.この結果は,平成2年秋の水産学会で発表し,また3年春にも講演を予定している.現在,この装置をもちいて,各種環境条件下における底生鞭毛藻の成長速度の測定を行っている.
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