1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660197
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Research Institution | Faculty of Agriculture, Kyushu University |
Principal Investigator |
松浦 修平 九州大学, 農学部, 助教授 (80038215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 誠一 九州大学, 農学部, 助手 (60038297)
北島 力 九州大学, 農学部, 教授 (50204889)
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Keywords | マイワシ / 卵形成 / 精子形成 / 成熟 / 産卵 / 排卵誘発 / 排卵後濾胞 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
高い水準を維持してきたマイワシ資源にも減少・変化の兆しが近年みられている。こ誠において、資源再生産機構解明の基礎資料として重要な生殖巣の成熟及び産卵の過程を明らかにし、もっと資源の維持・管理に資することを目的とした。1991年1月14日から3月14日迄10回にわたって採集した五島灘産マイワシ標本の解析によれば、産卵盛期は3月5日をピ-クにした約10日間であった。薩南周辺海域産マイワシの血中ステロイドホルモン量の変動と生殖巣の組織学的成熟度を調べた。成熟期卵を持つ個体および排卵後濾胞を持つ個体の出現時刻を調べ産卵時刻を推定し、バッチ産卵数を求めた。卵巣内最大卵径卵群の成熟ステ-ジ別に血中ステロイドホルモン量をみてみると、E2は第一次〜第3次卵黄球期および胚胞移動期にあっては1.2〜1.7ng/mlであったが成熟期では0.5ng/mlの最低値となった。17α,20βーDPは第一次〜第三次卵黄球期および胚胞移動期では0.3〜2.2ng/mlであったが、成熟期では71.6ng/mlに急増した。Tは第一次卵黄球期で0.1ng/ml、第二次卵黄球期で7.5ng/ml、第三次卵黄球期で0.2ng/ml、成熟期では0.1ng/mlであった。この結果は、マイワシにおいてもE2は卵黄形成に関与し、17α,20βーDPは卵の最終成熟に関与することを示唆している。雄では20〜24時から0〜4時にかけて17α,20βーDPが5.3ng/mlから0.5ng/ml、Tは12.1ng/mlから6.4ng/ml、11ーKTは0.3ng/mLから0.7ng/mlという値を示した。成熟期卵を持つ個体は20:00〜23:00にのみ出現し、同時に新しい排卵後濾胞を持つ個体も出現したことから、20:00〜23:00に産卵が行われていると推定された。組織像の観察によって毎日産卵しないことが明らかになった。バッチ産卵数はBF=1.6×10^<-10>BL^<6.19>で示された。成票促進剤による催熟効果、産卵に及ぼす餌料効果及び産卵の関与する水温条件制御等も解明予定であったが、飼育途中で魚が全滅し、これらは今後の課題として残された。
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[Publications] T.Kawasaki,S.Tanaka,A.Taniguchi and Y.Toba,(eds.),Shuhei Matsuura: "Histological maturity scales,maturation and spawning in Kyushuーsubpopulation sardine,Sardinops melanostictus." Proceedings of the International symposium on the Variability of pelagic Fish Population and their Environment,Sendai. 21-228 (1912)
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[Publications] Michiya Matsuyama: "Testicular development and serum levels of gonadal steroids in Japanese sardine Sardinops melanostictus,during the annual reproductive cycle in captivity." Japan J.Ichthyol.37. 381-390 (1991)
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[Publications] Michiya Matsuyama: "Annual reproductive cycle of the captive female Japanese sardine,Sardinops melanostictus:Relationship to ovarian development and serum levels of gonadal steroid hormones." Marine Biol.108. 21-29 (1991)
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[Publications] 松山 倫也: "LHRHーαによるマイワシの成熟,排卵促進" 水産海洋研究. 55. 301-306 (1991)
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[Publications] 松浦 修平: "マイワシ産卵親魚の成熟状況からみた資源動態モニタリング" 水産海洋研究. 56. (1992)
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[Publications] 松浦 修平: "マイワシの成熟リズム" 月刊海洋 特集「浮魚資源ー再生産と加入機構ー」. (1992)