1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 守 京都大学, 農学部, 助教授 (50026481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉中 禮二 京都大学, 農学部, 講師 (70026483)
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Keywords | 骨格形成 / コンドロイチン / コンドロイチン硫酸 / ヒアルロン酸 / ニジマス / 篩骨 / 脊椎骨 |
Research Abstract |
1.魚類の骨格形成過程に酸性ムコ多糖がどのように関与しているかを知るために,軟骨と硬骨における酸性ムコ多糖の含量およびその組成を比較した。1).平均体重96.2gのニジマスの脊椎骨および篩骨軟骨における酸性ムコ多糖の含量は、ウロン酸相当量で、それぞれ0.7〜0.8mgおよび7.2〜7.8mg/g組織であった。脊椎骨の酸性ムコ多糖の含量は軟骨の約1/10であった。2).軟骨では酸性ムコ多糖の約80%が非硫酸化ムコ多糖であった.その65%はガラクトサミンを含有するコンドロイチンで,残りはグルコサミンを含有するヒアルロン酸であった。3).脊椎骨の酸性ムコ多糖はコンドロイチン硫酸が主体(約74%)であり、残りはケラタン硫酸およびヘパラン硫酸などであった。脊椎骨では非硫酸化酸性ムコ多糖含量は痕跡程度であった。4).篩骨軟骨の酸性ムコ多糖含量は魚の年令にはほとんど関係なく一定であったが,脊椎骨では若年魚において高い傾向がみられた。5).電気泳動法によって脊椎骨のコンドロイチン硫酸を分画してコンドロイチン4ー硫酸とコンドロイチン6ー硫酸の含有比率を調べた結果、若年魚ではコンドロイチン6ー硫酸の比率が高い傾向がみられた。 2.骨格異常魚の発生と酸性ムコ多糖の関係を知るために、ニジマス椎魚をビタミンC欠乏飼料およびビタミンC添加飼料で飼育して全魚体中の酸性ムコ多糖を分析した。1).飼育6週目まではビタミンC欠乏区における酸性ムコ多糖含量は対照区に比べ高かった。魚の成長に伴いその差はほとんどみられなくなった。2).ビタミンC欠乏飼料区では対照飼料区に比べコンドロイチンとヒアルロン酸含量が高く,コンドロイチン硫酸の含量が低い傾向が認められた。
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Research Products
(1 results)