1991 Fiscal Year Annual Research Report
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02660217
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
境 正 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60136794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 寿 宮崎大学, 農学部, 教授 (60041018)
山口 登喜夫 東京医科歯科大学, 難治研, 助教授 (30134745)
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Keywords | 黄疸 / αートコフェロ-ル / 抗ビリルビンモノクロ-ナル抗体 / ビリルビン / 生体内脂質過酸化 / 抗酸化機能 |
Research Abstract |
1.ブリに過酸化脂質含量の異なるブラウンフィッシュミ-ルを基本とした飼料で1ヵ月間飼育した。その結果、過酸化脂質含量の高い飼料を給餌したブリほど生体内脂質過酸化は進行し、逆に組織中のαーtocopherol含量は低かった。また、これらのブリにフェニルヒドラジンを投与し、人為的に黄疸を発症させたところ、黄疸の程度は飼料の過酸化脂質含量が高い飼料を給餌したブリで高かった。したがって、生体内脂質過酸化が黄疸の発症の原因の一つであり、生体内脂質過酸化を抑制することにより、黄疸の予防は可能であると思われる。 2.1991年7月に鹿児島県福山および1991年9月に鹿児島県東町にて発症のみられた黄疸ブリを入手し、その肝臓、筋肉および血漿のTBA値、αーtocopherol含量を測定するとともに、血漿中のbilirubin含量をHPLCおよびEIA法により測定した。その結果、黄疸ブリではその生体内脂質過酸化が進行していることが明らかになった。さらに、1989年から1991年にかけて鹿児島県において黄疸の発症が見られたブリの病態生化学的な分析結果を詳細に検討し、ブリ黄疸には2パタ-ンがあることが明らかになった。すなわち、1989年に認められた極度に貧血が進行し、肝臓の生体内脂質過酸化はあまり進行していないパタ-ンおよび1990年に認められた貧血はう認められず、肝臓の生体内脂質過酸化が極度に進行しているパタ-ンの二つである。 3.非抱合型bilirubinに特異的なmonoclonal抗体(5M2)を作製した。この抗体は非抱合型のbilirubinにのみ反応し、他の抱合型bilirubinやbiliverdinとは反応しなかった。 4.先に作製した全てのbilirubinに対して反応するmonoclonal抗体(24G7)を用い、種々に病態時の血漿中のbilirubin含量を測定した結果より、bilirubinが活性酸素を消去した結果できるbilirubinXの内の2つについてその構造がほぼ明らかになるとともに、bilirubinは生体内脂質過酸化の防御機構として最も基本的な化合物であることが明らかになった。
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[Publications] Y.Okamura,M.Yamazaki,T.Yamaguchi,Y.Komoda,A.Sugimoto and H.Nakajima: "Antiーbilirubin monoclonalantibody.III.Preparation and properties of monoclonal antibodies to unconjugated bilirubinーIXα." Biochim.Biophys.Acta. 1073. 538-542 (1991)
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[Publications] 山口 登喜夫,岡村 維摩,山崎 順彦,田中 真希子,中島 熈,杉本 昭子,菰田 泰夫: "ビリルビンのantioxidantとしての生理的意義" 第7回肝代謝研究会報告集. 27-35 (1991)
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[Publications] T.Sakai,H.Murata,K.Yamauchi,T.Sekiya,and M.Ugawa: "Effects of dietary lipid peroxides contents on in vivo lipid peroxidation,αーtocopherol contents,and superoxide dismutase and glutathione peroxidase acitivties in the liver of yellowtail." Nippon Suisan Gakkaishi. (1992)