1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660238
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
足立 忠司 岡山大学, 農学部, 教授 (20012007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 孝夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80033265)
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Keywords | 海成粘土 / 乾燥 / 酸性硫酸塩土壌 / 土壌水分 / 土壌微生物 |
Research Abstract |
沿岸低湿地に堆積する土壌は、乾燥促進が図られれば、一般には環元条件下で生成される泥土中のパイライトが酸化されるために酸性硫酸塩土壌となるが、この過程(pHの低下)と土壌水分の質的状態量pFとの関係を室内実験により検討した。その結果、(1)乾燥直後の土壌のpHは、水分の低下と共に単調に低下するが、時間の経過と共に全水分域でpHは低下しながらも、pF4付近で低下が激しい下に凸の曲線型を示すようになる。さらに乾燥時間が経過すると、全水分域でpHはさらに低下しながら、pHの低下が激しい水分段階(pHの極小値)は、pF2.8付近に移行拡大すること。(2)この初期過期においては、定性的傾的は類似であるが、初期EC値の低い試料ほどpHの低下が激しいこと。(3)pHの低下と土壌水分(pF)との関係は、乾燥ならびに時間経過に伴って、生成される硫酸イオンと土壌水分(pF)の関係とよく対応すること。等等が明らかになった(初期の目的)。 また、この酸化過程は、水分の少ない領域(高pF領域)では、化学的酸化が主体であり、水分の多い領域(低pF領域)では、微生物による酸化が主体であり、その両者の折り合う点が酸化の激しく進行する水分域であると考えられた。したがって、その観点から、初期的酸化に対する微生物の影響を検討した。すなわち、オ-トクレ-ブにかけて殺菌した試料を持ちいて検討したところ、その処理土では、pF3付近の水分状態より高含水比では酸化が進まないことがほぼ明らかになった。これらの結果から、高水分段階での酸化には、微生物による酸化が大きく関与していることが推察された(次年度継続項目)。
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