1990 Fiscal Year Annual Research Report
ロ-タリ耕うんにおける土壌反転性の向上に関する研究
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02660248
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森泉 昭治 茨城大学, 農学部, 助教授 (80007682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 尚孝 茨城大学, 農学部, 教授 (10007669)
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Keywords | 耕うん / ロ-タリ / 耕土の移動測定法 / 土壌の反転性 / 電気伝導度の応用 |
Research Abstract |
1.耕うんピッチと土壌の反転性との関係 耕うんピッチが大きい区ほど,耕うん後の各測定地点の電気伝導度(EC値)は,大きなバラツキを示した。したがって,耕うんピッチが増大すると,ロ-タリ耕うんにおける土壌の移動状態が,不安定になるものと推察された。また、ダウンカットロ-タリの場合、耕うんピッチの増加に伴ない,土壌の反転性が低下することが明らかになった。しかし,アップカットロ-タリの場合,耕うんピッチと土壌の反転性との間に一定の傾向は認められなかった。 2.ロ-タリの回転方向と土壌の反転性との関係 耕うん前の上層から耕うん後下層への移動割合(耕うんピッチ17,33mm)は,アップカット方式がダウンカット方式より10〜12%ほど高い値を示した。これは,耕うん前の上層で大きい土塊が生じ易く,また大きい土塊はアップカットロ-タリのレ-キにあたり,レ-キ間を通過する小土塊より先に落下するためと考えられる。耕うん前の上層で,中〜下層より大きい土塊が生じるということは実証されていないので,この点を解明することが今後の課題である。 3.KCl溶液散布ーEC値測定による土壌の反転性調査法 本年度はKCl溶液の散布手段として,トラクタ用のブ-ムスプレ-ヤを用い,散布量の均一性について調べた。散布幅方向とトラクタ進行方向の散布量を分散分析した結果,散布幅方向の散布量は1%水準で有意差が認められた。圃場でKCl溶液を試験区に3,6,12回散布し,上層5cmの土壌のEC値を測定した結果,散布幅方向のEC値間には有意差がなかった。これは,KCl溶液が土壌中へ浸透する際に溶液の横方向への広がりにより,散布幅方向の散布量の変動を打消したためと思われる。この測定法の実用性については,次年度も試験し検討する予定である。
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