1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660257
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
國府田 佳弘 琉球大学, 農学部, 教授 (20038186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋 宏典 琉球大学, 農学部, 助教授 (10177165)
秋永 孝義 琉球大学, 農学部, 助教授 (60045135)
|
Keywords | 野菜 / 圧縮成形 / 圧縮乾燥野菜 / 含水率 / 復元特性 / 剪断抵抗 / 細胞破壊 / Texture |
Research Abstract |
前年度見出した適切加工範囲で作製した圧縮成形野菜を湯中で復元し、復元特性を求め、これを加工条件にフィ-ドバックし実用化につなげる加工条件を確定するとともに、圧縮成形された植物体が水分を吸収することによってTextureが復元される機構を生理的、物理的に解明することを目的として試験を行ない、以下の成果を得た。 用いた試料はキャベツ及びハクサイで、まず、これをブランチングしたのち真空乾燥し、水分19、22、25各%に調湿してから圧力1.5,2.5MPaで圧縮成形し乾燥野菜を製造し、得られたもののかさ密度、復元時の含水率、剪断抵抗及び剪断低下率を求めて評価した。その結果、特筆すべき次ぎの諸知見が得られた。(1)かさ密度が成形時の圧縮圧力の影響を受けることが予想されていたが、これよりも試料の含水率のほうがより大きな支配因子であったこと。(2)剪断抵抗はいずれの試料の場合も条件による差が大きく、このことは復元野菜の噛みごこちにはこの範囲では差がないことを示唆している。(3)破壊された細胞の分布状況を観察したところ、細胞の破壊には圧力の影響は少なく調湿水分に影響され、いずれの場合も19%のときには葉脈が破壊されるだけであるが、25%になると破壊された細胞は全面に分布し、養分の流出が見られた。以上の結果から成形品の性状、形態に影響を与えるのは圧縮圧力ではなく圧縮前の含水率であることがわかり、その適性範囲は、加工特性だけから得られた前年度のものよりも狭く、19〜23%程度とすべきであることがわかった。次いで復元機構を解析し、成形野菜の復元は、(1)乾燥した細胞壁のペクチンの層で分子間に、さらにはセルロ-スの間にも水分子が入り込み柔軟性と靭性を回復する、(2)細胞内に徐々に吸水され細胞は浸透圧によって現状を回復し、細胞の連続体である組織が形状を復元する、と推察した。
|