1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660258
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村瀬 治比古 大阪府立大学, 農学部・農業工学科, 助教授 (20137243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 宏昭 大阪府立大学農学部, 農業工学部, 助手 (50173208)
小山 修平 大阪府立大学農学部, 農業工学科, 助教授 (00112540)
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Keywords | フィジオメカニックス / デジタル制御理論 / 根端分裂組織 / ファジィシステム / 水ポテンシャル |
Research Abstract |
植物工場などに代表される高度な環境制御技術がほぼ完成しているがそれはあくまでも気温や日照に相当する生育環境要素を対称とした制御であり,植物生長を直接制御するものではない.農業機械学分野の計測制御に関する研究成果の蓄積は植物生産において植物により接近した見地から新たな技術的可能性をみいだすに余りある.その計測制御の技術的理論的蓄積およびフィジオメカニックス理論の融合の上に植物生長そのものを制御対象とする理論的実験的研究を展開することが本研究の目的である。目的を具体的に示すと根端分裂組織の細胞生長・生理・代謝に関してフィジオメカニックス理論とデジタル制御理論を基にそれに整合するファジィ線形システムの同定を行うこと,また,養液栽培で根端分裂組織の生長を工学的手法で制御するシステムを開発することである。 平成2年度は,根端分裂組織の生理・代謝・生長に関するファジィ線形システムモデルの同定を中心に研究を進めた.具的体には,細胞の水ポテンシャル調節機能で重要な役割を果たす陽イオン,生体電位,温度等を現象パラメ-タとしてファジィ線形システムモデルを決定することや,作物についてシステムパラメ-タと制御パラメ-タを決定するソフトウェアを開発した。さらに,供試作物についてパラメ-タ推定を行うために必要なデ-タを収集すること等を行った.ここでは,極めて多量のデ-タを同時に扱うことから専用のデ-タ記憶シテステムを設備して研究に用いた.細胞の水ポテンシャル調節機能で重要な役割を果たす物理量は,NaとCaイオン濃度,温度そして生体電位であるが,それら状態量の測定をモデルパラメ-タの推定過程で行う必要があり,現有の液体クロマトグラフとグロスキャビネットを用いた.また,根菜類の水ポテンシャル環境変化に対する物理的な応答として根の亀裂などの障害を発生するので脱気実験などでその現象の解明を試みた.
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