1991 Fiscal Year Annual Research Report
無糖節挿法による植物組織培養苗の急速大量生産法に関する環境工学的研究
Project/Area Number |
02660259
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 助教授 (60092087)
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Keywords | 植物組織培養 / 直接発根法 / 培養苗 / 順化 / 発根 / 環境調節 |
Research Abstract |
本研究では、組織培養苗を省力的に急速大量生産するための一手段として、小型培養器を用いずに、環境制御装置を用いた無糖培養による新たな培養苗急速大量生産方法について検討を行う。本方法では、既存のセル苗トレイなどを用い、これに入れた人工培地に外植体(培養植物体を茎葉を含むように切り分けた節)を節挿しする。これを環境制御製置内に入れ、培地に糖類を添加しないで発根ステ-ジから順化ステ-ジまでを一貫して達成する(直接発根法または無糖節挿法と呼ぶ)。 前年度までの実験結果から、湛液式の栽培を行った場合、培地容積すなわち根圏環境が小植物体の生長に影響を及ぼしていることが推察された。本年度は特に培地中養分量や溶存酸素量に影響を及ぼすとみられる培地容積と培地空気接触面積に注目し、これらが小植物体の生長に及ぼす影響を試験した。試験には、申請者らがすでに開発した自然光利用型順化装置を利用し、湛液式の管理を行った。 培地にはロックウ-ルを用い、培地容積大区(約44cm^3)と培地容積小区(約3cm^3)を設計た。さらにそれぞれについて、培地側面が空気に触れるようポット側面を切り取った区と、切り取らない区を設けた。 栽培試験の結果、小植物体の全生体重および全乾物重ともに、培地容積大区>培地容積小区となり、また、ポット側面を切り取った区>切り取らない区となった。葉数について大小関係もこれと同じであった。しかし根部の生体重および乾物重については、各区間に有意な差はみられなかった。これらの結果から、培地容積と培地空気接触面積は一定以上である方がよいと考えられたが、詳細な解析は分後の課題である。また、本年度当初予定した光条件が小植物の生長に及ぼす影響および木本植物についての試験も今後の課題として残された。
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[Publications] 林 真紀夫(分担): "種苗工場開発マニュアル" シ-エムシ-, 214 (1992)
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[Publications] 林 真紀夫(分担): "グリ-ンハウスオ-トメ-ション" 養賢堂,