1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660267
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 助教授 (10183360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩根 和夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (60003795)
渡辺 潔 岩手大学, 農学部, 教授 (90003756)
大塚 嘉一郎 岩手大学, 農学部, 非常勤講師
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Keywords | 寒地型牧草 / 画像解析 / ミネラル / カルシウム / マグネシウム |
Research Abstract |
本研究課題での2年目に当たる今年度は、葉部組織の消化性の観察、ミネラル成分の消化性画分への分画、葉部横断面消化性の画像解析等を行った。 葉部の各組織の消化性を調べるため、葉身横断面の切片をセルラ-ゼ溶液に浸漬し、経時的に分解過程を追ったところ、24時間後には篩部の消失と表皮の剥離が認められ、72時間後には葉肉組織の空気間隙からの切断が、96時間後には葉肉組織の崩壊が観察された。 牧草組織の各部分の消化性をアクチナ-ゼとセルラ-ゼを用いる酵素法によって評価し、各々のミネラルが各消化性画分に含まれる割合を調べた。その結果、カリウム(K)はいずれの草種でも最も消化され易い細胞内容物(CC)の画分にほぼ99%が含まれ、カルシウム(Ca)はCC、高消化性細胞壁(CWa)、低消化性細胞壁(CWb)にそれぞれ58%,34%,8%が含まれ、マグネシウム(Mg)はそれぞれ90%,7%,3%であった。牧草中に含有されるこれら3ミネラル成分の中では、Kが最も利用され易く、Mgが続き、Caは最も利用され難い画分中に多く分布することが明らかになった。 葉部横断面を、その消化性の程度でサフラニンとファ-ストグリ-ンで分染し、顕微鏡撮影したカラ-印画紙からテレビカメラで赤、青、緑の色成分に分けて画像処理装置に取り込み、解析した。高消化性部位は赤成分の画像を110のしきい値で2値化した低濃度部分の面積を、低消化性部位は赤ー青の画像を10のしきい値で2値化した高濃度部の面積を求めることにより評価することができた。 主要ミネラルが葉部組織のどの部分に多く分布するかを調べるために、葉部横断面に各ミネラル独自の結晶を生じさせる試みを開始した。結晶を生じさせることまでは成功したが、植物の組織液が試薬と混合する際際移動し易く、分布状態を把握するまでには至っていない。
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