1990 Fiscal Year Annual Research Report
家禽ウズラの成立と系統分化に関する遺伝育種学的研究
Project/Area Number |
02660272
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 正雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (10021693)
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Keywords | ウズラ / 蛋白質多型 / 系統分化 / 帰化ウズラ / 集団遺伝学 |
Research Abstract |
家禽ウズラの系統分化の程度を評価するため,ブリテイッシユ・コロンビア大学の2つの系統,ハワイで捕獲され同大学に導入された野生の帰化ウズラの集団,茨城県の養鶉業者の飼養する集団,それにコントロ-ルとして豊槁市の業者が持っている3つの集団のウズラについても分析した。蛋白質酵素を支配する合計34座位の遺伝子を標識としてこれらウズラ集団内の遺伝的変異性や集団間の遺伝的分化の程度を評価した。これ迄に収集したデ-タ-もあわせて結果を要約すると次のようになる。 (1)商業用ウズラでは,近交退化の幣害を防ぐため,遺伝子組成の異なる系統の導入を計り,遺伝子のホモ化を回避するように努力されていることがわかる。 (2)実験用ウズラでは,それぞれが遺伝子組成に特徴のある系統を確立しようとする努力が払われていることを裏付けている結果を得た。 (3)ウズラ集団間の遺伝的分化の程度はニワトリの品種間のそれの約60%位のものであることがわかった。 (4)各ウズラ集団における遺伝子頻度についての主成分分析の結果から,ハワイの帰化ウズラは他のあらゆる野生及び家禽ウズラとは異なる独立した1つのクラスタ-(集団)を形成することがわかった。ハワイへ導入されたのは家禽ウズラであろうとされているが、異なった環境に約60年間おかれたことにより,このような遺伝的分化が生じたものとも考えられる。 これらの概要については平成2年度の日本家禽学会の春期および秋期大会で口頭発表した。
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Research Products
(1 results)