1990 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュ-タ画像解析による牛枝肉の可食肉量推定法に関する研究
Project/Area Number |
02660275
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義之 京都大学, 農学部, 教授 (10041013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善林 明治 京都大学, 農学部, 助教授 (50089116)
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Keywords | 画像解析 / 枝肉横断面 / 特徴パラメ-タ / 重回帰分析 / 枝肉構成 / 推定 |
Research Abstract |
目的:枝肉横断面には枝肉構成に関係の深い種々の情報が内在していると考えられる。そこで、肥育牛の枝肉横断面を画像解析することにより、枝肉構成の予測に有効な情報を引き出すことについて検討した。 材料及び方法:画像解析に取り上げた特徴パラメ-タは、枝肉横断面全体領域、個々の筋肉領域、脂肪領域の各領域についての面積、周囲長、長径、短径、重心の位置であった。画像解析には、富士通画像情報システムFIVISを利用した。各肥育牛の枝肉について画像解析を2回繰り返して行い、各パラメ-タの反復率及び誤差の変動係数を調べた。一方、枝肉構成として、赤肉重量、脂肪重量、骨重量の絶対量とそれらの枝肉に占める割合(歩留)を算出した。枝肉構成の画像解析情報に対する変数増減法型の重回帰分析を行った。 結果:枝肉横断面の画像解析情報とトレ-スによる各筋肉面積の実測値との間の相関は、0.88〜0.98と高く、また画像解析情報の反復率は0.89〜0.99と高かった。また各組織の枝肉全体に占める割合(歩留)については、皮下脂肪面積割合が最もよくその変動を説明し、次に腸肋筋面積割合がよい説明変数であると推察される。一方、筋肉及び脂肪の重量については、それぞれの組織の面積の情報が、また骨重量については、重心間の距離がその変動をよく説明するようである。このように重心間の距離がいくつかの回帰式に含まれたことは興味ある知見である。ただ、周囲長、長径、短径については面積の持つ情報の中にその情報が含まれてしまっていると考えられるため、枝肉構成との関連は面積よりも劣るものと推察される。結論として枝肉横断面を画像解析することにより枝肉構成を予測するのに有効な情報を引き出すことができることが明らかになった。
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