1991 Fiscal Year Annual Research Report
ウシヘルベスウイルス1型糖蛋白遺伝子の塩基配列決定並びに真核細胞での発現
Project/Area Number |
02660306
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture/Technology |
Principal Investigator |
岡崎 克則 東京農工大学, 農学部, 助手 (90160663)
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Keywords | ウシヘルペスウイルス1型 / gIII / gIV / 糖蛋白質 / 赤血球吸着 / ヘパリン |
Research Abstract |
昨年度本研究課題において、ウシヘルペスウイルス1型(BHVー1)主要糖蛋白質のうち、gIIIが宿主細胞表面のヘパリン様物質を認識し、それによって感染を開始することを明らかにした。今年度は、本糖蛋白質の赤血球凝集活性(HA)を試験管内で発現し、その活性部位について遺伝子レベルでの解析を行うことをめざした。また、他の主要糖蛋白質gIV並びにgI遺伝子を単離し、試験管内発現することを試みた。 gIII遺伝子に関しては、SV40由来発現ベクタ-pcDLーSRαに組み込みcos細胞での一過性発現系を確立した。本系により発〓された組み替え体gIIIは、BHVー1感染細胞由来gIIIとほぼ同様の修飾、並びに細胞内輸送を受けることが明らかになった。同時に、gIII発現cos細胞表面上のマウス赤血球吸着性を証明し、BHVー1HAにはgIIIが必要十分条件であることを明らかにした。リセプタ-類似物であるヘパリンにより赤血球吸着性が阻害されたことから、本反応がウイルス吸着の試験管内検出系として用いられることが示唆された。現在、本検出系を用いてgIIIの吸着活性部位を決定すべく、ポリメラ-ゼ連鎖反応(PCR)によって各種分子テ欠損変異体を作成中である。 gIV遺伝子に関しては、gIIIと同様pcDLーSRαベクタ-により一過性発現を行い、蛍光抗体法により確認がなされた。gIV発現細胞はヘルペスウイルスの増殖を抑制することが報告されており、現在、その機構を解析するため、ネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクタ-pcDNAI/Ncoに組み込み、それをウシ腎由来細胞に取り込ませることにより、持続発現細胞株の樹立を行っている。また、その増殖抑制活性部位を明らかにするため、変異体を作成中である。gI遺伝子については、BHVー1ゲノムライブラリ-からの単離は終了したが、5´末非構造遺伝子を除く必要があり、発現ベクタ-への組み込みは行っていない。
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Research Products
(1 results)