1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660315
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
矢ケ崎 修 大阪府立大学, 農学部, 教授 (90081504)
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Keywords | 壁内神経叢 / アセチルコリン放出 / プロスタノイド / サイクリックAMP / アラキドン酸 / モルモット小腸 / 経壁刺激 / ニコチン刺激 |
Research Abstract |
腸筋神経叢の付着したモルモット縦走筋標本を、37℃で通気したタイロ-ド氏液中に懸垂し,浴液中のACh量をバイオアッセイにより、又、PGE_2及びPGI_2量をラジオイムノアッセイにより測定した。 リポキシゲナ-ゼ阻害薬であるETYA(1ー10μM),5ーリポキシゲナ-ゼ阻害薬であるAA861(3ー30μM)は、いずれも経壁刺激によるACh放出を濃度依存性に抑制した。アラキドン酸(10μM)はAA861により抑制されたACh放出を完全に回復した。一方,12ーリポキシゲナ-ゼの特異的阻害剤であるバシカレイン(3μM)は刺激によるACh放出に全く影響しなかった。又、5ーリポキシゲナ-ゼ系代謝物である5ーHETE(31.2nM),LTD_4(20nM)およびLTE_4(22.6nM)はAA861(10μM)による抑制をほぼ完全に回復させたが、LTB_4(30nM)。LTC_4(16nM)は無影響であった。これらの結果は、経壁刺激によるACh放出が、5ーHETE,LTD_4,LTE_4等の5ーリポキシゲナ-ゼ系代謝物により調節されていることを示す。 インドメタシンによって抑制されたニコチンーおよびサブスタンスPー誘発性ACh放出は、PGI_2アナログであるOPー41483(10ー100nM)によって濃度依存性に回復した。この回復効果は、Aキナ-ゼ阻害薬であるHー89の処置により消失した。一方、PGD_2(100nM),PGF_2α(100nM)およびTXA_2アナログであるONOー11113(100nM)はインドメタシンによる抑制に影響しなかった。標本から遊離してくるPGI_2量は、PGE_2量の約5倍で、これらの遊離はいずれもインドメタシンにより抑制された。以上、PGE_2に加えテ内因性PGI_2もモルモット回腸壁内神経叢のコリン作動性神経細胞の興奮性を調節しており、この作用には細胞内サイクリックAMP系が関与していることが明らかになった。
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[Publications] Hata,F.et al.: "Prostaglandin E_2 selectively affects purinergic transmission in quinea pig vas deferens." Neuropharmacology. 30. 1107-1112 (1991)
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[Publications] Fujita,A.et al.: "Role of PGE_2 in neurotransmission from preーto postーganglionic hypogastric nerves of guinea pigs." Japan.J.Pharmacol.58. 61-66 (1992)
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[Publications] Takeuchi,T.et al.: "Role of cyclic AMP in the modulatory effect of prostaglandins on the release of acetylcholine from the myenteric plexus of guinea pig ileum." Neuropharmacology.