1991 Fiscal Year Annual Research Report
家畜の腎不全に対する持続的腹膜透析法の至適条件の解析とその応用に関する研究
Project/Area Number |
02660332
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大橋 文人 大阪府立大学, 農学部, 講師 (10126013)
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Keywords | CAPD / 腹膜透析 / 腹膜透過性 / 透析効率 / 犬 / 猫 |
Research Abstract |
1.平成2年度には色素剤を透析液に混入させ、その消失率より腹膜面積の計測を行ったが、十分な結界が得られなかったため、本年度には高分子剤に薬剤を変更し、再度腹膜面積を計測したが、精度の高い結果が得られなかった。そのため、現在,腹膜の部分切除を行い、切除した腹膜面積量の相違からの透析効率の変化による機能的腹膜面積の計測を計画中である。 2.前年度に得られた透析効率を基準として透析シミュレ-ションを実施し、亜急性透析実験に挿入したが、推定値と実測値に差が生じ、現在計算式および係数について再考中である。 3.亜急性透析実験により呼吸・循環器系および代謝系への影響を検討した。その結果、透析液注入直後に呼吸数および心拍数は増加するものの、徐々に減少し、また、体重Kg当たり100/ml以内では血圧に大きな変動を与えないことが判明した。さらに、代謝系では脂質代謝および糖代謝に大きな影響がないことも示唆された。 4.本学附属家畜病院に来院した自然発生腎不全症例への応用を2症例で実施し、シュミレ-ション結果との相違があるものの、比較的良好な経過が得られた。しかし、症例数としては不十分であり、現在も症例を集積しつつあり、平成4年8月頃までにあと5例を実施する予定である。 5.本研究ではCAPD実施時の効率、透析回数、貯留時間、および透析液組成については確立でき、また循環系や代謝系への影響についても多くの知見が得られた。しかし、本研究をとりまとめるには、本研究の主要目的であるシュミレ-ション化および臨床応用性に関する検討が必要不可欠であり、これらについては十分な結果がまだ得られていない現状であり、現在も続行している定量腹膜除去による腹膜面積計測の結果および臨床例の集積をもって平成4年8月までに総合的に動物におけるCAPDを確立する予定である。
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Research Products
(1 results)