1990 Fiscal Year Annual Research Report
単球の3次元レベルにおける計量細胞学:末梢血液ならびに胎生期と生後の造血組織における形態観察
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02670001
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐々木 和信 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90002261)
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Keywords | 単球 / 末梢血液 / 計量細胞学 / リンパ球 / 超微形態 / マウス |
Research Abstract |
末梢循環血液にふくまれる単球の3次元レベルにおける細胞計量的基礎デ-タ-を得る事を目的とし,成熟マウス末梢血液バッフィコ-トの単核白血球とくに単球とリンパ球に関し,光顕・電顕レベルで観察した. 1μm準超薄切片による光顕レベルでの観察は,単核白血球は4.0ー7.5μmに分布し,そのピ-クは5.0μmにある.細胞直径の分布領域は著しく狭く,末梢血液に8μm以上の大型細胞は出現せず,細胞直径からリンパ球と単球とを明瞭に区別できない.ヒトで単球は白血球中最も大型の細胞としてしられ,特徴有る核の形態とあわせて同定は容易であるが,マウスでは単球の細胞直径の分布はリンパ球と重なり合う部分があり,光顕レベルで両血球の鑑別は必ずしも容易ではない. 電顕による観察では,単球は細胞直径から5.8μmをピ-クとする小型単球と6.5μmの大型単球の大・小2型に分類される.末梢血液リンパ球は顆粒の存在の有無によって顆粒リンパ球と無顆粒リンパ球の2型からなり,さらに無顆粒リンパ球はせまい胞体をもつ高核胞体比群と胞体の広い低核胞体比群の2亜群からなる.細胞直径では,高核胞体比の無顆粒リンパ球は末梢血液単核細胞のうちでもっとも小型であるが,顆粒リンパ球と低核胞体比の無顆粒リンパ球はいずれも単球とほぼ同様の分布を呈する.また,核胞体においても大型単球と顆粒リンパ球とは直径分布がほぼ一致し,細胞計量的な成績のみで鑑別する事には無理が有る.しかしながら,マウス末梢循環単球とリンパ球の区別は電顕レベルでは必ずしも困難ではない.単球は細胞膜形状と関連して細胞膜直下に液胞を多数有し,さらにリンパ球に比べ大小の顆粒が胞体に多数含まれ,これらの超微形態レベルの特徴から単球とリンパ球は明瞭に区別できる.胎児造血リンパ組織での単球マクロファ-ジ系の観察をさらに進める.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sasaki K: "Two forms of free mononuclear cells in sinusoids at the beginning of hepatic hemopoiesis of the mouse embryo:A qualitative and cytometrical study" Acta Anatomica. 139. 97-103 (1990)
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[Publications] 佐々木 和信: "成熟マウス末梢血液における単球の光学ならびに電子顕微鏡的観察" 日本解剖学雑誌. 65. 45 (1990)
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[Publications] Sasaki K: "Ultrastructure and cytometry of monocytes and lymphocytes of mouse peripheral blood" Kawasaki Medical Journal. (1991)