1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670010
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田中 敬一 鳥取大学, 医学部, 教授 (00031948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満嶋 明 鳥取大学, 医学部, 助手 (80116376)
福留 初子 鳥取大学, 医学部, 講師 (00032243)
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Keywords | 金コロイド / IgG / 走査電顕 / 超高解像度 / リセプタ- / カ-ボン板 / プロテインA / マクロフア-ジ |
Research Abstract |
近年、免疫学的手法を用いた電顕組織学的研究がひろく行われるようになり、細胞表面の抗原の分布、密度などが研究されている。しかし、それに用いられる金コロイドそのもの、また金コロイドに付着したIgGの形態学的研究は行われていなかった。本研究ではこの点について超高解像度走査電顕による解明を行なった。その結果は次のごとくである。 1.金コロイド粒子のカ-ボン板(試料支持台)への付着条件: プロテインAやIgGを結合していない金コロイド粒子は直接カ-ボン板へは付着せず、カ-ボン板上に金コロイド粒子を観察することはなかった。しかし、ポリーLーリジンを塗布したカ-ボン板を用いると金コロイドはカ-ボン板に付着し観察することができた。一方、IgG金コロイドはそれだけでカ-ボン板に付着しえた。このことから金コロイドはポリーLーリジンやIgGのようなタンパク分子の存在する時にカ-ボン板に付着し得る事が明らかとなった。 2.IgG金コロイド粒子におけるIgGと同粒子の結合状態: イ)直径15nmの金コロイド粒子。 1ヶの粒子に1〜数ヶのIgGが付着し得た。IgGを介して金粒子がカ-ボン板に付着することを考えれば、カ-ボン板と金粒子との間にも1ヶIgGが存在することが考えられるので、粒子の上、横、に見られるIgGの他に1ヶ以上のIgGが金粒子に付着しているものと考えられる。 ロ)直径5nmの金コロイド粒子。 1〜数ヶの金コロイド粒子が1ヶのIgGに付着しているのが観察された。従来、5nmの金コロイドを用いた場合に一つの抗原にクラスタ-状に金コロイドが付くのがみられたが、これは上述の所見によって説明できることになる。 3.IgG金コロイド粒子を用いてのリセプタ-の同定: 培養マクロファ-ジ表面にあるC3Biリセプタ-を抗Macー1抗体を付着させた金コロイド粒子を用いて同定することに成功した。
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[Publications] 山県 昇、他: "超高解像度走査電顕の免疫組織化学への応用" 医生物走査電顕. 18. 53-54 (1989)
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[Publications] 山県 昇、他: "免疫金コロイドの微細構造" 医生物走査電顕. 19. 77-80 (1990)
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[Publications] TANAKA,K.et al: "Direct visualization of colloidal goldーbound molecules and a cell surface receptor by ultrahigh resolution scanning electron microscopy." J.Microscopy. (1991)