1990 Fiscal Year Annual Research Report
痛み発現から老化現象でのニュ-ロンの動態一特に、capsaicin効果に関連してー
Project/Area Number |
02670030
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
猪俣 賢一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (20116388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 史男 東邦大学, 医学部, 助手 (10180530)
五十嵐 広明 東邦大学, 医学部, 講師 (20120230)
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Keywords | 痛みニュ-ロン / 老化現象 / 脊髄後根神経節 / 脊髄前角 / 変性産物 |
Research Abstract |
実験動物であるSenescene Accelerated Mouseーprone(SAM)pー8系はSPFの条件下で飼育し、Grading score と脳幹中心をとして出現し加齢と共に進行する海綿状変性(光顕)をマ-カ-として生后10〜21ケ月のマウス(約200匹)について以下の三つの検索方法により、主として脊髄後根神経節ニュ-ロン,脊髄後角、脊髄中心管及び脊髄前角の部位を観察した。検索方法は、(1)通常の純形態学的光顕・電顕検索、(2)酵素(Thiamine monophosphatase:TMPase)光顕・電顕検索及び(3)免疫(Calcitonin GeneーRelated Peptide:CGRP)光顕・電顕検索である。これらの検索より、とくに(1)の通常の光顕・電顕検索で痛みに関通するニュ-ロンに運動ニュ-ロンと区別出き得る特徴的老化現象を示す像が得られた。エポキシ樹脂厚切りの切片のトルイジンブル-染色で、脊髄後根神経節ニュ-ロンの細胞管にトルイジンブル-によく染まる小体が特に小型神経細胞に著明に観察された。電顕で観察すると、電子密度が高く、形状はリポフステン様小型、ミエリ様小体など多彩な像を呈し、大きさは小胞大から空胞大にわたっていた。一方、大型神経細胞の細胞質には、大きな空胞を有する小体が観察され、これらの変性産物は小型神経細胞の細胞質にある小体とは形態学的に明白に区別できた。さらに、これら大型神経細胞に観察された小体は、脊髄前角細胞の細胞質にも類以の小体として観察された。酵素及び免疫光顕検索において特記すべき所見は得られなかった。以上の所見より、痛みに関連するニュ-ロンと運動ニュ-ロン群とは老化現象において異なる様式を呈することが示唆された。
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