1990 Fiscal Year Annual Research Report
松果体に存在するLHRH様物質の同定及びその生物学的役割に関する研究
Project/Area Number |
02670034
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
若林 克己 群馬大学, 内分泌研究所・ホルモン測定センター, 教授 (80008614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 民根 東京大学, 理学部・動物学教室, 助手 (00228694)
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Keywords | 松果体 / LHRH / 単クロ-ン抗体 / LHRH様物質 |
Research Abstract |
本年度はこの研究の初年度として、松果体で見られる抗LHRH単クロ-ン抗体,LRH13の免疫反応の特異性とLHRH様物質の生化学的同定を行うことから始めた。 可溶化したラットの松果体を電気永動の後ウェスタンブロットで膜に移した後、LRH13を用い免疫反応を示すタンパク質のバンドを検出した。その結果分子量約55KDの主なバンドを検出する事が出来た。その後分子量約120KDのバンドを検出することも可能になった。松果体を燐酸緩衝液を用い可溶化成分と非可溶化成分に分けた後免疫ブロットを行った結果は予想とはかなり異なるものであった。すなわち分子量は55または120KDぐらいのLHRH様物質と比べ,はるかに大きいものであり、非可溶化分画でのみ検出されたことから膜と強い関係を持っている物質であることが予想された。現在はまだこれがなにを意味するのかは明確ではない。 松果体以外の組織ー下垂体と視床下部で同様の実験を行ない検出されたLHRH様物質の組織特異性を調べた。その結果55kDのバンドは視床下部でも検出出来松果体特異的な物ではなかった。しかし120kDのバンドは他の組織ではほとんど検出することは出来なかった。一方検出されたLHRH様物質の量は非常に少なく安定した結果を出すためには部分精製が必要となる。またラットの松果体の大きさは非常に小さく多量の試材を得るのは難しい事などから他動物の松果体での実験も始めた。現在の所マウスの松果体ではその存在を認めることは出来なかった。
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