1991 Fiscal Year Annual Research Report
松果体に存在するLHーRH様物質の同定及びその生物学的役割に関する研究
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02670034
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
若林 克己 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (80008614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 民根 東京大学, 理学部, 助手 (00228694)
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Keywords | 松果体 / LHRH様蛋白質 / ラット / 単クロ-ン抗体 / LHRH |
Research Abstract |
松果体に存在するLHーRH様物質の同定及びその生物学的役割に関して平成3年度に以下の成果を得た。 (1)LRH13(単クロ-ン抗体)の特異性を吸収試験でチェックし、松果体LHーRH兔疫反応陽性物質にはLHーRH様はエピト-クが存在していることを明らかにした。免疫染色反応の第2抗体がラットの抗体蛋白質との交差反応を起こし、その反応物は、すでに報告した免疫陽性物質の分子量の供近で現われることから、ラット抗体蛋白質との交差反応の少ない第2抗体を用いることで、LRH13の特異的な免疫反応のみを検出することが出来た。 (2)平成2年度の実験でLHーRH様免疫反応が膜分画から検出されたので、この蛋白質がどのように膜と結合しているかを調べた。この蛋白は、松果体膜分画から140または500mMのNaCl、5mMのMgイオンまたは10mMのEDTAの処理では遊離されず、2%のTriton x100の処理で遊離された。この結果は52KDのLHーRH様兔疫陽性物位が松果体から血中に分泌され、他の界官に使用するホルモン様の生理活性物質ではないことを示唆する。 (3)52KD免疫陽性物質がラットの松果体でのみ見られるものであるかを調べるために、ヤギとマウスの松果体で兔疫組織化学・兔疫ブロットなどの実験を行なったが、兔疫陽性反応は見られなかった。 (4)52KD蛋白質がLHーRHと同様の免疫反応エピト-プを持つことから、ラットのLHーRHのcDNA配列(62bp)をラベルして、ラットの松果体から精製したmRNAのノ-ザンハイブリダイゼ-ションを試みたが陽性反応は得られなかった。この結果から52KD蛋白質はLHーRHの前駆体では無く、他の蛋白質に含まれているLHーRH様ペプチド配列または位体構造を持っているものと考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toyokawa,S.;Takeda,T.;Kato,Y.;Wakabayashi,K.;Ogihara,Y.: "The complete structure of an abortifacient protein,Karasurin." Chem.Pharm.Bull.39. 1244-1249 (1991)
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[Publications] Hayashi,S.;Aihara,M.;Wakabayashi,K.: "Content and distribution pattern of luteinzing hormonereleasing hormone(LHRH)in the hypothalamus of neonatally estrogenized female rats." Neuroscience Res.12. 366-378 (1991)
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[Publications] Murakami,S.;Seki,T.;Wakabayashi,K.;Arai,Y.: "The contogeny of luteinizing hormoneーreleasing hormone(LHRH)producing neurons in the chick embryo:possible evidence for migrating LHRH neurons from the olfactry epithelium expressing a highly polysialylated neural cell adhesion molecule." Neuroscience Res.12. 421-431 (1991)
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[Publications] Miller,M.;Park,M.K.;Hanover,J.A.: "Nuclear pore complex:structure,function,and regulation." Physiol.Reviews. 71. 9909-949 (1991)
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[Publications] Park,M.K.;Kawashima,S.;Wakabayashi,K.: "GnRH immunoreactive substance recognized by a monoclonal antibody(LRH13)in the rat pineal gland." proceeding of Jap.Soc.Comparative Endocrinology. 6. 49 (1991)