1991 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン正帰還作用によるLH大量分泌に関わるLHRH細胞の電気生理学的同定
Project/Area Number |
02670071
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 冨久子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (40046066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 豊 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90194050)
比留間 弘美 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10238397)
有田 順 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (80128587)
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Keywords | 多ニュ-ロン発射活動 / LHRHニュ-ロン / 視床下部正中隆起 / LH分泌 / エストロゲン / フィ-ドバック / オピオイドニュ-ロン / GABAニュ-ロン |
Research Abstract |
エストロゲンの正フィ-ドバック作用によるLH大量分泌に関わるLHRHニュ-ロンは卵巣摘除下でLHパルス状分泌に関わるものは異なる可能性について視床下部正中隆起部の多ニュ-ロン発射活動(MUA)記録法を用いて検討した。 1.卵巣摘除ラットでパルス状LH分泌に相関して突発上昇するMUAを示すLHRHニュ-ロンは、エストロゲンのフィ-ドバック作用を、内因性オピオイドニュ-ロンではなく、GABAニュ-ロンを介して受ける可能性が示され、以後、このようなニュ-ロンをI型と呼ぶ。I型ニュ-ロンは、エストロゲン投与により、LHパルスを伴うMUAの突発上昇を示さなくなるが、GABA‐A受容体拮抗薬、ビククリンの特続投与によりエストロゲンの、この負フィ-ドバック作用は解消し、LHパルスを伴う突発上昇が再現した。一方、オピオイド、受容体拮抗薬、ナロキソンの投与はMUAには著変を与えないにも拘らず、エストロゲンの正フィ-ドバック作用によるものと類似した大量分泌を惹起した。 2.卵巣摘除下に於けるI型ニュ-ロンの活動調節には内因性オピオイドニュ-ロンがかなり関与しているがGABAニュ-ロンは殆ど関わらないと考えられる。ナロキソン持続投与はLHパルスを伴う突発上昇の頻度を約2倍に増加させるが、ビククリンは頻度に有意な変化を与えなかった。 3.巣卵摘除ラットにエストロゲンを投与した際発現するLH大量分泌に関わるLHRHニュ-ロンをII型と呼ぶ。II型ニュ-ロンのMUAはI型のような突発上昇を示さないものとして視床下部内側底部で記録されるはずであるが、それに関して、今年度は報告できる成果が得られていない。今後、II型に関する研究を含め、LHRHニュ-ロンの機能的二型性の概念を確立したい。
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