1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670091
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
中野 重行 大分医科大学, 医学部, 教授 (10033341)
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Keywords | 日周リズム / 薬物クリアランス / 薬物動態 / ゲンタマイシン / 加齢 / 老年者 |
Research Abstract |
「薬物活性の日周リズム」に関する実験的検討を、「用量ー濃度関係」と「濃度ー反応関係」の2つの側面から実施し、以下の結果を得ている。 1.実験動物(ICRマウス)を対象にした研究により、(1)腎排泄型薬物であるリチウムとアミカシンの薬物動態(特に腎クリアランス)には日周リズムが認められ、いずれも暗期の活動期にクリアランスは高まり、明期の休息期にクリアランスは低下することが明らからなった。(2)この時、これら薬物の毒性にも、日周リズムが認められ、クリアランスの低下する明期に毒性が高まり、クリアランスの高まる暗期に毒性が低下することが判明し、薬物動態の日周リズムと密接に関連していることが示唆された。さらに、(3)リチウムのクリアランスは、低ナトリウム食飼育条件下では低下し、それに伴って毒性が高まるが、日周リズムそのものは影響を受けないことが明らかになった。(4)このような単回投与試験のみならず3週間以上にわたる反復投与試験によっても、リチウムの薬物動態の日周リズムは、明暗交代飼育条件下ではそのまま維持されることが分かった。(5)抗菌薬(アミカシン)の抗菌作用は、明期に高まり、暗期に低下する日周リズムを示し、安全性の面だけでなく、有効性の面でも生体リズムの影響を認められることが明らかになった。 2.人間においても、マウスと同様に、薬物動態に日周リズムが認められるかどうかを、ゲンタマイシンで検討し、すでに得ている健常人においては明らかに日周リズムが認められるという所見が、老年者においてどのように変容するかを検討し、まだ例数は少ないが、老年者においては腎クリアランスの日周リズムの振幅が減少して不明確になる傾向を認めている。この点は、前年度の研究実績の概要に記したラットにおける所見と同様の所見が、人間にも認められることを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shito,T.,Ando,T.,Okamoto,T.& Nakano,S.: "Chronopharmacokinerics and chronotoxicity of lithium in mice eating normal and lowーsodium diets." Chronobiology International. 9. (1992)
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[Publications] Takamura,M.,Shito,T.,Okamoto,T.& Nakano,S.: "Aging effects on the circadian rhythm of gentamicin clearance in rats." Chronobiology International.
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[Publications] Hosokawa,H.,Nyu,S.,Nakamura,K.& Nakano,S.: "Efficacy of amikacin aginst mice infected with Pseudomonas aeruginosa:Chronopharmacologic approach."