1990 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素負荷によるラット脳内カルシウム依存性タンパクリン酸化酵素の変動
Project/Area Number |
02670100
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
谷口 隆之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10111957)
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Keywords | 低酸素負荷 / ラット / protein kinase C / ^3HーPDBu結合実験 / 海馬 / 膜分画 / 細胞質分画 / 核分画 |
Research Abstract |
低酸素負荷ラットを長時間飼育し、脳内カルシウム依存性タンパクリン酸化酵素(protein kinase C)の変動を検討した。 ラットを低酸素チャンバ-中で、5%O_2、95%N_2下30分間飼育した後、室内気で飼育し、各時間ごとに大脳皮質、海馬、線状体に別けた。各部位につき、膜分画、細胞質分画、核分画に別け、protein kinaseCの調節部位に結合する ^3Hーphorbolー12,13ーdibutyrate(PDBu)を用いて結合実験を行ない、protein kinase Cの変動を定量的に測定した。 その結果、最も変動の顕著な海馬においては、室内気中に取り出した直後(0分)では、protein kinaseC量に変化は認められなかったが、30分、1時間では膜分画、細胞質分画で減少が認められ、3時間後では元のレべルに回復し、12時間後までは変動が認められなかった。一方、核分画においては、12時間のいずれの時間においても変動は認められなかった。以上の結果より、少なくとも12時間までの早い時期において、海馬のprotein kinase C量は、膜分画、細胞質分画共に一過性に減少し、核分画でのprotein kinase C量に変化がなかったことから、translocationは生じていない可能性が示唆された。現在、1日目、2日目、7日目の変動を検討中であるが、これらの遅い時期でのprotein kinase C量の変動は、早い時期の変動と異なる可能性を示すデ-タが出つつある。また、protein kinase C isozymeの抗体を用いて、Western blottingを行い、早い時期のprotein kinase Cの変動に、どのisozymeがかかわっているのかも現在検討中であり、もうすぐ結論が出ると思われる。
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Research Products
(1 results)