1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞転写制御因子HNF1の染色体遺伝子クロ-ニングとその発現制御について
Project/Area Number |
02670108
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 直行 大阪大学細胞工学センター, 助手 (40165965)
|
Keywords | 肝細胞 / 転写制御因子 / HNF1 / 組織特異性 / ホメオドメイン蛋白 / プロモ-タ- |
Research Abstract |
ラット肝細胞転写制御因子HNF1のcDNAをプロ-ブに用いて,ラット肝臓より調製した高分子DNAより作製したゲノミックライブラリ-をスクリ-ニングして,HNF1の染色体遺伝子を含むファ-ジクロ-ンを11個得た。クロ-ンの解析の結果、得た染色体遺伝子は真の遺伝子であり、ハプロイドあたり1コピ-であることがわかった。 つぎに、エキソン・イントロンを決定した。さらに、転写開始点も決定し、主な転写開始点は1ケ所であることが明らかになった。プロモ-タ-領域及びその上流については、全長9K塩基対のDNAが得られた。この9K塩基対のDNAを、レポ-タ-遺伝子としてのルシフェラ-ゼ遺伝子につなぎ、種々の組織由来の培養細胞に遺伝子導入を行った。その結果、9K塩基対のDNA断片は肝臓由来細胞HepG2細胞に、Hep3B細胞でのみルシフェラ-ゼ活性が認められ、線維芽細胞L細胞、子宮癌Hela細胞、胚性癌細胞P19細胞ではルシフェラ-ゼ活性が認められなかった。このことは、9K塩基対の中に肝臓組織特異性に重要な役割を果たすシスエレメントが存在することを示唆している。そして、プロモ-タ-を含む約1K塩基対の塩基配列を決定した。非常に興味深いことには、その塩基配列の中に、HNF1の認識するコンセンサス配列に非常に似た配列が2ヶ所存在していた。 今後、9K塩基対をさらに断片化し、肝臓特異的な遺伝子発現に重要な役割を果たしているシスエレメントの同定およびそのエレメントに結合するトランスに働く因子の解析を進めていく予定である。
|
Research Products
(1 results)