1991 Fiscal Year Annual Research Report
好中球による活性酸素生成とその制御機構に関する研究
Project/Area Number |
02670112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹重 公一朗 九州大学, 医学部, 助教授 (10037450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 医学部, 助手 (30179303)
南里 宏樹 九州大学, 医学部, 助手 (80150415)
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Keywords | 好中球 / 活性酸素 / NADPHオキシダ-ゼ / GTP結合タンパク質 |
Research Abstract |
好中球の活性酸素生成に関する研究を行ない、次に述べる成果を得た。 1.無細胞系を用いた研究 (1)2つの活性化経路の存在の証明 リコンビナント47kおよび63k因子そして両因子に対する単クロ-ン抗体を用いることにより、GTPγSが存在するときには細胞質第3因子は必要ではないが、GTPγSが存在しないときには第3因子が要求されることを示した。この結果は、無細胞系での活性化経路に、GTP依存性と非依存性の2つの経路があること、そして膜にNADPHオキシダ-ゼの活性化に関わっているGTP結合タンパク質が存在していることを示唆している。 (2)ビリルビンによる細胞質因子の失活 ビリルビンは好中球のO_2生成を阻害するが、その阻害機構については全くわかっていない。今回、無細胞系を用いて検討した結果、ビリルビンは、細胞質因子を失活させることによりO_2生成を阻害することが明らかになった。テトラピロ-ル環をもつ物質の中で、ヘム、プロトポルフィリン、ビリベルジンは阻害作用をもつが、ウロビリンには阻害作用はなかった。 2.細胞レベルでの研究 (1)電気穿孔好中球を用いた研究 種々刺激物質で刺激した時のO_2生成に対する種々阻害剤の影響を検討した結果、タンパク質リン酸化酵素Cの下流に百日咳菌毒素不感受性のGTP結合タンパク質が関与していること、およびリン脂質ホスファタ-ゼCよりも上流にチロシンリン酸化反応が関わっていることを明らかにした。また、好中球が刺激を受けると、チロシンフォスファタ-ゼ活性は約50%までに低下するが、このチロシンホスファタ-ゼは、細胞膜に存在し、凍結融解により膜から遊離することを見だした。 (2)FMLP刺激によるO_2生成のヨ-ドチロニンによる阻害 Lーチロキシン、Lートリヨ-ドチロニンは阻害作用を示したが、Lージョ-ドチロニンは無効であった。阻害作用は、受容体のFMLPへの親和性が低下することにより起こることが明かとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kwak,Jong Y.: "Bilirubin inhibits the activation of superoxideーproducing NADPH oxidase in a neutrophil cellーfree system" Biochim.Biophys.Acta. 1076. 369-373 (1991)
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[Publications] Aoyagi,Kunihiko: "Effects of iodothyronines on chemotactic peptideーreceptor binding and superoxide production of human neutrophils" Biochim.Biophys.Acta. 1093. 223-228 (1991)
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[Publications] Kang,Dongchon: "Evidence that the decarboxylation reaction occurs before the first methylation in ubiquinone biosynthesis in rat liver mitochondria" Eur.J.Biochem.198. 599-605 (1991)
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[Publications] Kang,Donchon: "Ubiquinone biosynthesis by mitochondria,sonicated mitochondria and mitoplasts of rat liver" J.Biochem.111. (1992)
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[Publications] 竹重 公一朗: "好中球の生理と病理" 代謝. 29. (1992)
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[Publications] Takeshige,Koichiro: "Proceedings of the 5th International Congress on Oxygen Redicals" Yagi,Kunio, (1992)
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[Publications] Ishida,Kiyoshi: "Proceedings of the 1st World Congress of Cellular Molecular Biology" Wegmann,R.J., (1992)