1990 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンD_2受容体の生化学的性格付けとクロ-ニング
Project/Area Number |
02670118
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 大阪バイオサイエンス研究所, 第4部門, 副部長 (80201325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 紀子 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 共同研究員
洲鎌 和茂 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (40206397)
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Keywords | プロスタグランジンD_2(PGD_2) / アデニレ-トシクラ-ゼ / 非クロマフィン細胞 / 受容体 / クロ-ニング / FRTL5細胞 |
Research Abstract |
平成2年度の研究計画に基づき、(1)牛副賢髄質の非クロマフィン(NC)細胞におけるPGD_2によるアデニレ-トシクラ-ゼ活性化機構の解明と(2)PGD_2受容体遺伝子のスクリ-ニング法の確立を試みた。(1)に関しては、PGD_2受容体の特異的なアンタゴニストAH6809やBWA868Cを見いだし、PGD_2のcAMP上昇作用が拮抗的に阻害されること、Gsを直接活性化するNaFはNC細胞膜のアデニレ-トシクラ-ゼを活性化できること、サポニンによる細胞膜穿孔でPGD_2のcAMP上昇作用が消失することから、NC細胞膜上のPGD_2受容体からアデニレ-トシクラ-ゼへのシグナルの伝達には細胞質因子が関与している結果が得られた。さらに種々の培養細胞を用いてPGD_2の情報伝達にはアデニレ-トシクラ-ゼ系とイノシト-ルリン脂質代謝系にカップルする2経路が存在することを明らかにした。(2)に関しては、まずβーアドレナ-ジック受容体のcDNAを発現ベクタ-pdKCRに組み込みラット甲状腺由来のFRTL5細胞でtransientなトランフォ-マントを作り種々の条件検討を行った。その結果、FRTL5細胞のI_2の取り込みはcAMP上昇後48ー72時間後に認められること、又cAMP上昇とI_2の取り込みの間には蛋白合成などの過程を介しており反応が単純でないことからstableなトランスフォ-マントを作り、PGD_2によるcAMP上昇でスクリ-ニングすることに決定した。NC細胞よりmRNAを調製し、OkayamaーBerg法に基づいてpcD_2のcDNAライブラリ-を合成し、約1500個のstableなトランスフォ-マントを得て現在PGD_2によるcAMP上昇能のスクリ-ニングを行っている。このように、平成2年度の研究計画(1)(2)は計画通り進み、平成3年度の計画に従い現在PGD_2の作用に関する細胞質因子の検索とPGD_2受容体遺伝子のクロ-ニングを試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Seiji Ito: "Evaluation of ZK110841 and AH6809,an agonist and an antagonist of prostaglandin DPーreceptors on human platelets,with a PGD_2ーresponsive cell line from bovine embryonic trachea" Br.J.Pharmacol.99. 13-14 (1990)
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[Publications] E.OkudaーAshitaka: "Cyclic AMPーmediated inhibition of cell growth by prostaglandin D_2 in a fibroblastic cell line(EBTr)" Eicosanoids. 3. 213-218 (1990)
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[Publications] Seiji ito: "Advances in Prostaglandin,Thromboxane,and Leukotriene Research" Raven Press,Ltd.,NY, 4 (1990)