1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しく発見したヒト癌組織由来の基底膜IV型コラ-ゲン特異的分解酵素に関する研究
Project/Area Number |
02670128
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
津田 道雄 東海大学, 医学部・生化学教室, 助教授 (00102848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 とみ 東海大学, 医学部・生化学教室, 研究員
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Keywords | IV型コラ-ゲン / メタロプロテア-ゼ / マトリクス分解酵素 / 高分量プロテア-ゼ / ヒト癌組織 |
Research Abstract |
これまで、胃癌・大腸癌はどめ各種ヒト癌組織及び株化されたヒト神経膠腫細胞より、IV型コラ-ゲンを特異的に分解する型素を精製してきたが、いずれも部分精製にとどまり、単一にもで精製を進めるために様々な手法を用いて検討を行ってきたが、非常に困難な状況であった。今年度、新たにヒト肝癌組織より精製を行ったところ、ゲル濾過カラムクロマトグラフィ-によって得られたピ-クより、ほぼ単一の酵素が得られた。これは従来の我々の報告と類似の、分子量約100万のメタロプロテア-ゼであり、SDSーPAGEでは分子量97,000に相当はる部分に1本のバンドが出現した。また。非還元下では分子量190,000に相当する部分に1本のバンドが出現した。これまで分子量97,000をもつ、IV型コラ-ゲンを分解するメタロプロテア-ゼについては多数報告されているが、我々の発見した酵素は少なくとも2量体の形で存在し、生体内ではいくつかのsubuniが会合した状態で存在しているという可能性を示している。 この酵素はlatent formで存在しtrypsinによって活性化されたが、organomerculiesのーつであるAPMAによっては活性化されなかった。また、本酵素のpIを調べる手段の一つとして、HPLCーカラムクロマトグラフィによるクロマトフォ-カシングを行ったところ、酵素活性はpH3ー8〜3.3に溶出された。活性の至適PHは7.6であるがpH3付近の酸性条件下でも安定、phを中性に戻すことで活性は可逆的に発現した。このような性質を持つ高分子量のメタロプロテア-ゼの生体内での生成や局在について、この精製酵素を用いて現在更に追究しているところである。また、ポリクロ-ナル抗体及びモノクロ-ナル抗体を作成中である。
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Research Products
(1 results)