1991 Fiscal Year Annual Research Report
線維化病変におけるコラ-ゲン産生とコラ-ゲン結合性熱ショック蛋白質発現の解析
Project/Area Number |
02670148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐賀 信介 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40144141)
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Keywords | コラ-ゲン / コラ-ゲン結合性熱ショック蛋白質 / 抗体 / 線維化病変 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
臓器の線維化病巣におけるコラ-ゲン産生細胞の動態を明かにするために、プロコラ-ゲン分子のERーゴルジ装置間の細胞内輸送に関与しコラ-ゲン分泌に必須と考えられるコラ-ゲン結合性熱ショック蛋白質HSP47の線維化病変組織における発現分布を免疫組織学的に解析することが本研究の目的であるが、既に得られていたニワトリHSP47に対するポリクロ-ナル抗体およびモノクロナ-ル抗体を用いてヒト、ラット、マウス各組織に対して免疫組織染色を行ったが、未変性のヒト、マウスHSP47と反応するモノクロナ-ル抗体を含めていずれの抗体でも、固定組織では十分な染色像を得られず、また未固定組織ではHSP47抗原は流出してしまうことが明らかとなった。そこで固定組織中のヒトHSP47にも反応性の高い抗体の作製を試みた。大量培養したヒト線維芽細胞やヒト胎盤組織の可溶化画分よりゼラチンアフィニティクロマトグラフィ-やイムノアフィニティクロマトグラフィ-を用いてヒトHSP47を精製しようとしたが、ヒトHSP47はニワトリHSP47と異なり極めて容易に蛋白分解を受け、保存が困難で多段階精製が不可能であった。ワンステップ部分精製のヒトHSP47をカラム溶出後直ちに家兎に免疫したが、得られた抗血清はHSP47に対する高い抗体価を示すもののHSP47以外の蛋白質に対する夾雑抗体を除くことができず免疫染色には使用できなかった。SDSーPAGEで分離しゲルよりHSP47のバンドを切出したり、ニトロセルロ-スヘブロットしたバンドを切出して家兎やマウスに免疫したが、十分な抗体価を得られなかった。また、マウスへ部分精製のヒトHSP47を免疫して抗ヒトHSP47モノクロナ-ル抗体の作製を数度試みたが反応性の高い抗体は得られなかった。 一方、マウスHSP47のcDNAプロ-ブを供与されたので、正常組在や線維化病変組織でのin situ hybridaizationを試みたが現在までにmーRNAの検出に至っていない。
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