1990 Fiscal Year Annual Research Report
Amyloid Enhancing Factorの本態とその役割
Project/Area Number |
02670152
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
横田 忠明 山口大学, 医学部, 講師 (40144927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 文彌 山口大学, 医学部, 教授 (20034902)
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Keywords | アミロイド / アミロイドーシス / amyloid enhancing factor / 好中球 |
Research Abstract |
実験的アミロイドーシス発症マウスの脾臓から抽出した粗製のAEFでウサギを免疫して,抗AEF血清を作製した。免疫酵素組織化学の結果,好中球のみが抗AEF血清と反応し,好中球がAEFを産生することが示唆された。そこで末梢血から好中球を分離し,AEFの存否を確めた。AEFは好中球に存在し,移入した好中球数とアミロイド沈着量には正の相関関係があった。抗AEF血清による免疫電顕で,好中球のサイドゾルに陽性反応物質が存在した。また、脱顆粒処理質の好中球に強いAEFを認めた。この事からAEFは好中球のサイトゾルに存在すると考えられる。 イオン交換クロマトグラフィ-,高速液体クロマトグラフィ-で脾臓からAEFを抽出精製した。精製したAEFの分子量は約15KDaであった。アミノ酸シ-ケンサ-でN末端はブロックされていた。ガスクロマトグラフィ-で,グルコ-ス,マンノ-ス,ガラクトサシン・シアル酸が検出され、AEFは糖蛋白と思われる。 AEFがマクロファ-ジに及ぼす影響を調べるため、マウスのクッパ細胞を培養し、その培養液にAEFを添加した。添加質クッパ細胞は膨瘤し,胞体内には多数の空胞が形成された。走査電顕では細胞膜構造が複雑となり,透過電顕では空胞は粗面小胞体が拡張したものであった。この変化は変性所見であり、AEFはマクロファ-ジに対して障害的に作用すると思われた。以上のことからAEFは炎症性刺激により活性化された好中球が産生し,マクロファ-ジに作用して,アミロイドの前駆蛋白(血清アミロイドA蛋白,SAA)の分解に関する酵素活動の低下或はectoenzymeの減少きたし,SAAの分解処理能力の低下をもたらして,アミロイドの沈着が促進されると考える。
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[Publications] 内野 文彌、横田 忠明他: "Amyloid Enhancing Factorの抽出の試み" 原発性アミロイドーシス調査研究班1989年度研究報告書. 67-69 (1990)
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[Publications] 横田 忠明: "amyloidoyenesisにおけるanyloid ehancing factor(AEF)について" 日本病理学会会試. 79. 14 (1990)