1991 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞由来白血球走化性蛋白質LUCTの情報伝達機構とその発現に関する研究
Project/Area Number |
02670163
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
鈴木 和男 国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 室長 (20192130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 左敏 国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 部長 (60072930)
堀田 国元 国立予防衛生研究所, 抗生物質部, 室長 (90165564)
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Keywords | インタ-ロイキン8 / 好中球 / 多形核白血球 / 走化性因子 / 自己免疫疾患 / モノクロナル抗体 / サイトカイン / リコンビナント / PCR |
Research Abstract |
【目的】これまで癌細胞から産生される炎症関連タンパク質LUCT/ILー8を分離し、その生物活性、分子性状、遺伝子構造・発現について報告してきた。抗腫瘍免疫のメディエ-タ-・好中球走化性因子として単離したLUCT/ILー8はさらにリウマチ、腎炎などの自己免疫疾患患者の炎症局所に集積していることが明らかにされている。この様にILー8は癌細胞の増殖部位での発現や、これら疾病の発症・治瘉機転に関与する重要な因子と考えられる。一方、ILー8のアミノ酸配列はLUCTでは77残基、単球由来MDNCFでは72残基と異なっており、疾病と両タイプのILー8の関わりを明らかにする必要がある。そこで、本年度は、ILー8遺伝子の発現による2つのリコンビナントILー8(rILー8ー77,rILー8ー72)を同時に生成する簡便法を開発し、かつ、それぞれ特異的に認識するモノクロナル抗体を作成した。 【方法】ヒト肺巨細胞癌LU65C細胞からmRNAを調製し、PCR法によりrlLー8ー77のcDNAを得た。このcDNAをIPTGによりmaltoseーbinding proteinとの融合蛋白質を誘導し精製した。LUCT/ILー8(77)のNー末端10残基(LU10)を化学合成しマウスアルブミンを結合させ抗原とし、rILー8ー77およびrILー8ー72にて抗体をスクリ-ニングし、rILー8ー77特異的抗体を作成した。【結果および考察】Factor Xa処理によりrILー8ー72が、よりmildな条件ではILー8ー77が生成され、結果として2つのILー8ー77およびー72が生成された。rILー8,77のcDNAを含む1種類のvector(pMalILー8(77))を構築し、Factor Xa proteaseの作用条件を変えることにより2種類のILー8を同時に、かつ大量に生成できた。この様にして調製したrILー8ー77およびrILー8ー72を用いてモノクロナル抗体の作成およびスクリ-ニングによって77残基を特異的に認識し、72残基のものは認識しない抗体を得た。77残基と反応するが72残基のものとは反応しないモノクロナル抗体はILー8ー77のNー末端5残基の部分を認識しているものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鈴木 和男: "がん細胞の産生するILー8" BIOmedica. 6. 725-729 (1991)
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[Publications] 鈴木 和男: "インタ-ロイキン8" 検査と技術. 19. 880-881 (1991)
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[Publications] Nomura,Uno,E.,Tamatani T.,Miyasaka,M,Suzuki, K.,Suzuki,A.,Kikuchi,K.,and Uede,T.: "Functional analysis of mononuclear cells infiltrating into tumors.VI.The effect of lymphocyte chemotactic factors on lymphocyte adhesion to endothelial cells." International Immunol.4. 407-415 (1992)
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[Publications] Shibata,M.,Ohoka,T.,Mizuno,S.,and Suzuki,K.: "Identification of a 64-kDa protein phosphorylated with glucose in human polymorphonuclear leukocyhtes in cell-free system" Immunol.Lett.(1992)
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[Publications] Shibata,M.,Ohoka,T.,Mizuno,S.,and Suzuki,K.: "Phosphrylation of 64-kDa proteins during chemotactic activation of human polymorphonuclear leukocyftes." J.Biological Chemistry.
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[Publications] Shibata,M.,Yamakawa,Y.,Ohoka,T.,Mizuno,S.,and Suzuki,K.: "Purification and identification of 64-kDa protein phosphorylated by chemotattractant-stimutation in human polymorphonuclear leukocytes." J.Immunol.