1992 Fiscal Year Annual Research Report
旋毛虫特異的モノクローナル抗体の診断および治療への応用
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02670165
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新村 宗敏 千葉大学, 医学部, 助教授 (60059095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 英一 千葉大学, 医学部, 助手 (00110304)
小林 仁 千葉大学, 医学部, 助手 (80009654)
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Keywords | 旋毛虫 / α-スチコソーム / モノクローナル抗体 / 抗原 / 局在 / 治療剤 |
Research Abstract |
1. Ts-α160抗原の性状解析 モノクローナル抗体(TS32D12)と強く反応するTs-α160は蛍光抗体による観察の結果、旋毛虫筋肉内幼虫(L_1)のα-stichocyteの分泌顆粒に存在することを推察した。さらに金コロイド標識2次抗体を用いた免疫電顕によりα-stichocyteのα-顆粒に主として存在していることを明らかにした。なお角皮下層、筋層および食道腔の一部に弱い金コロイド粒子の存在が認められた。 2. 選択的治療法の検討 モノクローナル抗体を用いたミサイル療法的治療についての結果はこの期間中に出すことはできなった。しかし、生薬(Embelia ribes)の一成分、embelinのammonium塩がin vitroにおいて旋毛虫に対し強い殺虫作用を持つこと、またこの作用はstichosomeの形態に強い変化を起こし、特に本線虫L_1幼虫ではこの作用により口部に沈降物の形成がみられ、この沈降物はTS32D12と強く反応していることが蛍光抗体法により明らかにされてきた。現在、電顕による観察を進めている。これらのことは本線虫の特異的な器官であるstichosomeの生理的役割の解明とさらに治療剤開発の一つの手がかりになるものと考える。 3. TS32D12の特異性については明らかにすることができた。しかしこれ以外に作製されたモノクローナル抗体の診断および治療に利用できるものは、これまでの検索結果からは発見されていない。
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[Publications] Munetoshi NIIMURA and Somei KOJIMA: "Immunocytolocalization and properties of a target antigen recognized by a monoclonal antibody to Trichinella spiralis." The Japanese Journal of Parasitology. 40. 253-259 (1991)
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[Publications] Munetoshi NIIMURA,Masashi KOBAYASHI and Somei KOJIMA: "Immunodiagnostic value of an α-stichocyte-derived antigen isolated by affinity chromatography for trichinosis." The Japanese Journal of Parasitology. 41. 287-293 (1992)