1992 Fiscal Year Annual Research Report
住血吸虫ミラシジウムトリトンモデルを用いた蠕虫繊毛運動の制御機構
Project/Area Number |
02670170
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
青木 克己 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 康教 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (10209083)
坂本 信 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (20039928)
片岡 泰文 長崎大学, 医学部, 講師 (70136513)
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Keywords | 住血吸虫 / ミラシジウム / 繊毛運動 / トリトンモデル |
Research Abstract |
本巣度の計画は1.ミラシジウムの光走性および孵化運動と繊毛運動の関係を明らかにすること、および2.平成3年度までに計画された実験の中で満足な成果が得られてない項目の実験を行うことであった。 1.(1)ミラシジウムの光走性と繊毛運動の関係:水中遊泳中のミラシジウムを高速ビデオに記録し、光刺激にともなう繊毛運動の変化を遊泳速度の変化、単位時間当りの虫体方向転換を指標に解析した。ハロゲン30w〜100wの光刺激では両指標の変化はみられなかった。トリトンモデルを用いても同様光によるモデルの遊泳速度に変化はみられなかった。 (2)ミラシジウムの孵化運動と施毛運動の関係:虫卵を水に浸け孵化までのミラシジウムの運動を高速ビデオに記録し、卵殻内のミラシジウムの遊泳速度を測定した。虫卵が水にさらされ3〜5分後にミラシジウムはゆっくり遊泳はじめ5〜30分後には865±125μm/secの速度で卵殻内を回転し、一般に20〜40分後に孵化する。卵殻内のミラシジウムの遊泳速度は孵化後の水中の遊泳速度の約1/2である。虫卵をトリトン処理した場合、繊毛の再活性化を惹起させることは可能であるが、孵化を惹起させることは出来ない。 2.これまでの実験の補足実験結果:(1)トリトンモデルを用いて住血吸虫ミラシジウム繊毛の制御因子をより明らかにした(pH8.1;Mg^<++>0.25-0.5mM;ATP 1mM)。またMn^<++>はMg^<++>の25%、ADPはATPの20%の再活性化効果を有することも明らかにした。(2)繊毛内のカルモジュリン存在の確認:種々の方法を試みたが繊毛の体表よりの単離に成功しなかった。3年間の研究期間で計画した実験の中で残念ながら、唯一この項目については結果を得ることが出来なかった。
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