1990 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるイデオタイプ抗体に対するヘルペスウイルス抗原の研究
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02670189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 潜伏感染 / 自己抗体産生 / 抗唾液腺管抗体 / 免疫抑制剤 / T細胞減少 / シェーグレン症候群 |
Research Abstract |
BALB/c(4W,♀)マウスにマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を2×10^5 PFU ip感染させた時、感染後24週目からどの組織でもMCMVが検出されなくなり、潜伏感染に移行した。この24週目までは血清中に自己抗体を示すマウスは見られなかったが、24週目から46週目までのマウスに約16%の頻度で自己抗体を保有するマウスが見られた。潜伏感染に移行する19週目と移行した29,41週目にサイクロスポリンA(CsA),抗マウスT細胞抗体(αT抗体)及びステロイドを1週間投与してから各々1日、4週及び10週後に自己抗体保有のマウスを調べた所、CsA及びαT抗体投与により自己抗体の保有率は非投与群より上昇し、19,29,41週目に3回投与した群は約50%のマウスが自己抗体を示した。しかし、ステロイド投与マウスの自己抗体保有率は非投与マウスよりも減少した。MCMV潜伏感染マウスの自己抗体産生に至るリンパ球の変動を解析する目的から、CsAまたはαT抗体投与後から10週目に脾細胞を取り、自動細胞解析機(FACS)でリンパ球・単球をモノクローナル抗体を用いて解析した所、自己抗体保有マウスは薬剤投与の有無に拘らずLytlとL3T4の分化抗原を有するT細胞がcontrolに比べて減少していた。また、胸腺細胞にMCMVを感染させてThyl抗体と抗MCMV抗体で二重染色してFACSで解析した時、Thyl陽性細胞にMCMV抗原が認められ、MCMVはT細胞に感染する事が判った。この事は生体にあって、MCMVの感染または再燃時にT細胞の異常を引き起こす事が示唆された。MCMV感染マウスに示された自己抗体は抗核抗体、抗核内顆粒抗体また抗核膜抗体があり、これ等の血清の中で29%が抗唾液腺管抗体を示した。これはシェーグレン症候群の患者血清の保有する自己抗体に非常に類似していた。自己抗体保有マウスの脾細胞から自己抗体産生クローンのハイブリドーマは細胞死滅が早く成功していない。
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Research Products
(1 results)