1991 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるイデオタイプ抗体に対するヘルペスウイルス抗原の研究
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02670189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
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Keywords | サイトメガロウイルス / 潜伏感染 / 自己抗体 / 抗唾液腺管抗体 / 抗核抗体 / シェ-グレン症候群 |
Research Abstract |
マウスサイトメガロウイルス(MCMV)を4週齢のBALB/c雌にi.p.感染させ64週齢間飼育し、血清中の自己抗体、唾液腺病理組織変化について検索したところ、以下のような結論を得た。 (1)感染群における抗核抗体の出現率は急性感染期は0%、持続感染期である20週齢、24週齢、28週齢では各々0%、33%、33%、潜伏感染期である34週齢、44週齢、50週齢、64週齢では各々60%、57%、60%、67%であった。(2)感染群における抗唾液腺管抗体の出現率は急性感染期は0%、持続感染期である20週齢、24週齢、28週齢では各々0%、0%、33%、潜伏感染期である34週齢、44週齢、51週齢、64週齢では各々40%、43%、40%、50%であった。(3)感染群における唾液腺導管周囲の細胞数50個以上のリンパ球様細胞浸潤像(focus)は20週齢では出現せず、持続感染期の24週齢から認められ、28週齢以降では全ての個体に認められた。感染群における1切片上のfocusの最大数の平均は急性感染期である8週齢では0個、持続感染期である20週齢、24週齢、28週齢では各々0個、2.4個、1.7個、潜伏感染である34週齢、44週齢、50週齢、64週齢では各々2.0個、2.1個、3.4個、2.5個であった。(4)focus以外の組織変化としては、持続感染期では導管の拡張、顆粒管上皮の膨化、導管上皮の反応性増殖などが認められ、潜伏感染期ではそれらに加えて筋上皮島の形成、腺房細胞の萎縮変性、腺組織全体の瀰慢性の細胞浸潤などの変化が認められた。対象群では感染群ほど明らかな組織変化は認められなかった。以上の結果から、BALB/cではMCMV持続感染、潜伏感染により、ANA、ASDA産生、唾液腺導管周囲のfocusの形成等SjS類似の変化が生じることが判明し、MCMV感染はSjS発症に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)