1990 Fiscal Year Annual Research Report
RNAの相同性からみたヒトおよび動物ロタウィルス遺伝子の多様性の解明
Project/Area Number |
02670190
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中込 治 秋田大学, 医学部, 助教授 (70143047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 とよ子 秋田大学, 医学部, 助手 (40155693)
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Keywords | ロタウイルス / 遺伝子 / 多様性 / 種間伝播 / ゲノグル-プ / ハイブリディゼ-ション / 相同性(ホモロジ-) / 遺伝的組換え |
Research Abstract |
ロタウイルスの自然界での生態を解明することは,ロタウイルスワクチン開発上必須であると考えられる。本研究の目的は,ヒトおよび動物に由来するロタウイルスの遺伝子の多様性と,この多様性の形成にロタウイルスの種間伝播(ロタウイルスが種の異なる宿主に感染すること)が関与しているのかどうかということを解明することである。このために,ロタウイルスの遺伝子をRNAーRNAハイブリディゼ-ションでしらべることにより相対的な遺伝子の相同性に基づく“ゲノグル-プ"という概念を導入することが必要であることを提唱してきた。 ロタウイルスの遺伝子の多様性の解明のために,われわれが過去10年間に自分たちで分離した株あるいは他の研究者が分離した株を分与されたものなど,現在広く承認されている全ての血清型(serotype)を含む76株を解析の対象にした。このうち平成2年度の研究では,ヒトロタウイルスが,それぞれWa株(血清型1,亜型II,long RNAパタ-ン),KUN株(血清型2,亜型I,short RNAパタ-ン)およびAnー1株(血清型3,亜型I,long RNAパタ-ン)をプロトタイプとする3つのゲノグル-プからなることを明らかにした。このことはわれわれの仮説通り,ロタウイルスの遺伝子構成はランダムに入り乱れず,11分節の遺伝子がともに進化している(coーevolve)していることを示唆している。 一方,ロタウイルス野外株の中には明らかにこのようなゲノグル-プ間でおこった遺伝的組換え現象(genetic reassortment)によっておこったと考えられるものが存在することを明らかにした。 さらに興味あることにヒトおよびネコに由来する一部のロタウイルス株が例外的に同一のゲノグル-プに属していることが明らかになり,種間伝播が進化の途上であったと推定される分子レベルでの証拠が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakagomi,O.,Ohshima,A.,Aboudy,Y.,Shif,I.,Mochizuki,M.,Nakagomi,T.,& GotliesーStematsky: "Molecular identification by RNAーRNA hybridization of a human rotavirus that is closely related to rotaviruses of feline and cenine origin." Jounal of Clinical Microbiology. 28. 1198-1203 (1990)
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[Publications] Hakagomi,T.,Ohshima,A.,Akatani,K.,Ikegami,N.,Katsushima,N.,Nakagomi,O.: "Isolation and molecular characterization of a serotype 9 human rotavirus strain." Microbiology and Immunology. 34. 77-82 (1990)
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[Publications] Ohshima,A.,Takagi,T.,Nakagomi,T.,Matsuno,S.,Nakagomi,O.: "Molecular characterization by RNAーRNA hybridization of a serotype 8 human rotavirus with “super short"RNA electropherotype." Journal of Medical Virology. 30. 107-112 (1990)
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[Publications] Ward,R.L.,Nakagomi,O.,Knowlton,D.R.et al.: "Evidence for natural reassortants of human rotaviruses belonging to different genogroups" Journal of Virology. 64. 3219-3225 (1990)
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[Publications] Nakagomi,O.,Nakagomi,T.,Akatani,K.,Ikegami,N.,Katsushima,N.: "Relative frequency of rotavirus serotypes in Yamagata,Japan,over four consecutive rotavirus seasons." Research in Virology. 141. 459-463 (1990)
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[Publications] 中込 治,上杉 四郎: "ロタウイルスの遺伝子診断" 臨床病理. 臨時増刊85. 136-147 (1990)