1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670256
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大谷 勲 岐阜大学, 医学部, 教授 (80021393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 康雄 岐阜大学, 医学部, 講師 (50165510)
加藤 一夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (70115400)
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Keywords | 外傷性ショック / 肺臓 / 多形核球 / 副腎 / 皮質壞死 / 法医剖検例 |
Research Abstract |
本年度は、肺臓ならびに副腎の病理組織学的変化について、ショック状態に陥って死亡した事例を中心として検討した。103例の法医剖検事例を用いた肺臓に関する検討では、水腫や出血、うっ血の発生については、特に死因との関連性は認められなかった。巨核球の数は、多量の出血を伴ったり、ショック状態に陥り死亡した例に増加傾向が認められ、特に、受傷または発症後数日を経て死亡した例に著明な増加が認められた。また、肺臓の毛細血管内の多形核球(PMN)の出現に関して、各事例ごとに、毛細血管内のPMNを数え、肺胞数の合計が数視野で40個を越えたところで、PMN数/肺胞数が1以上の事例を陽性(+)として検討したところ、PMN陽性例は、失血、頭部損傷、心タンポナ-デ、ショック状態で死亡した事例にそれぞれ18例中10(56%)、14例中6例(43%)、5例中2例(40%)、20例中11例(55%)と比較的高頻度に認められたのに対して、窒息死例や焼死例は全て陰性であった。また、いわゆる即死例を除くと、PMN陽性例は鈍力による強い損傷を伴った事例では44例中22例(50%)、刺・切創を伴った事例では7例中5例(71%)に認められた。PMNの増加は炎症によっても引き起こされるが、失血やショック状態等に際しても認められ、しかも、受傷後短時間に出現し、法医剖検例において病態を検討するうえで有用な所見によるものと考えられる。副腎に関しては、死後変化の少ない60例について検討した。副腎皮質の壞死は、頭部損傷、失血、ショック状態で死亡した事例にそれぞれ8例中4例(50%)、13例中4例(31%)、17例中6例(35%)とやや高頻度に認められたのに対して、窒息死例等ではその頻度は低かった。したがって、副腎皮質の壞死も、ショック状態や失血等に際しても認められ、しかも肺臓のPMNの増加と同様に、受傷ないしは発症後比較的早期に認められる注目される所見と考えられる。
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Research Products
(1 results)