1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 謙一 大阪大学, 医学部, 講師 (40166947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 長英 大阪大学, 医学部, 教授 (30028378)
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Keywords | 心筋アクトミオシン / 血小板活性化 / カルパイン / 虚血 / カルモジュリン / 突然死 |
Research Abstract |
1.ヒト心筋アクトミオシンの各種病態における変化に関する研究 以前からの研究で心筋アクトミオシンが加齢に伴い変化する事がわかったので、対象を30ー40歳台にしぼり、各種病態における心筋アクトミオシンの変化を調べた。虚血性心疾患を死因とする対象者の心筋のミオシンやトロポニンにタンパク分解を高頻度に認め、ATPase活性も変化していることを見い出した。心肥大は心筋アクトミオシンの性質に特別変化をもたらしていなかった。 2.血小板活性化におけるカルパインの役割に関する研究 種々のアゴニストによる刺激により、血小板の可溶性分画のカルシウム依存性プロテア-ゼ、カルパインが小胞体に転移して、そのCa^<2+>ーATPase活性を一過性に上昇させ、活性化に伴って上昇した細胞質Ca^<2+>濃度を減少させ、活性化の諸反応を終息させることを見い出した。カルパインは虚血等による心筋障害にも関与していると考えられるので、抗カルパイン抗体を作成して酵素抗体法により、冠動脈結紮イヌ心筋や突然死症例の心筋におけるカルパインの局在の変化等を検索しつつある。 3.心筋カルモジュリンの組織化学的研究 冠動脈結紮イヌ心筋や突然死症例の心筋におけるカルモジュリンの局在の変化を調べ、収縮帯や水腫様変性などの病変(Ca^<2+>濃度が上昇していると考えられている)に一致して、カルモジュリンの染色性が亢進していた。これはCa^<2+>濃度の上昇に対応して、カルモジュリンが膜分画に転移している事を反映しているものと考えられる。従来より早期心筋虚血の診断法として頻用されている、ミオグロビン染色が壊死を必要条件とするのに比べて、カルモジュリン染色は壊死の前段階の細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を検出しているものと考えられ、心筋障害におけるCa^<2+>やカルモジュリンの関与を調べる方法としても有用であると思われる。
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[Publications] kenーichi Yoshida,et al.: "Effect of suefhydryl modification on ageーassociated aeteration of actomyosin ATPase actirty of human myocardium" Basic Res Cardiol. 85. 2-9 (1990)
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[Publications] Kenーichi Yoshida,et al.: "Proteolysis of myosin and troponin in human myocardium of eldery subjects" Jpn Heart J. 31. 683-691 (1990)
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[Publications] Kenーichi Yoshida,et al.: "Myoglohin diffusion and actomyosin in single coonay artery case" Jpn J Legul Med. 44. 481-488 (1990)
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[Publications] Kenーichi Yoshida,et al.: "ATPase actirity and proteolysis of human myocmdial actomyoin in ischemia and hypertropby" Jpn Heart J. 32. (1991)
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[Publications] Hideo Ariyoshi,et al.: "Arreciation of calpain with subcellulai arganelles in platelet activation"