1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670260
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 敏 神戸大学, 医学部, 助教授 (20173487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 順子 神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)
柳田 泰義 神戸大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (50031373)
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Keywords | アルコ-ル症 / 臓器障害 / 画像解析 / 肝臓 / 脳 / 肝線維化 / 脳萎縮 |
Research Abstract |
1.方法 法医解剖で得られた正常例及びアルコ-ル性臓器障害例の肝臓と脳を10%ホルマリンで固定後、肝臓においては組織標本(アザン染色及び脂肪染色)を作製し、画像解析処理装置を用いて顕微鏡写真から線維化及び脂肪化の定量を行った。脳においては、3つの前額断面(側頭極直前、乳頭体及び頭頂後頭溝を通る断面)を撮影した写真から、画像解析処理装置を用いて前頭葉、頭頂葉、側頭葉及び後頭葉それぞれの白質及び灰白質の面積を測定した。また各症例について飲酒歴を調査した。 2.結果 (1)肝臓における線維化については、肝臓全体に対する線維成分の割合は、正常例(5例)で0.72ー3.91%(平均2.55%)であった。一方、アルコ-ル性臓器障害例では、肝硬変症例(6例)で7.34ー28.76%(平均18.11%)、肝硬変症・脂肪肝合併例(9例)で6.44ー30.06%(平均13.89%)、脂肪肝例(7例)で1.68ー4.63%(平均3.36%)であった。また、アルコ-ル性臓器障害例における肝臓線維化と飲酒歴との関係では、肝硬変症例及び脂肪例においては、飲酒期間が長い、あるいは飲酒量が多いと線維化の程度が強くなる傾向を認めた。(2)脂肪肝例(5例)における肝臓全体に対する脂肪化の割合は、9.29ー49.62%(平均24.89)であった。(3)大脳の前頭葉、頭頂葉、測頭葉及び後頭葉それぞれの部位での灰白質/全体比及び白質/全体比の平均値は正常例(15例)においては順に、前頭葉で0.552 0.448、頭頂葉で0.501 0.499、側頭葉で0.641 0.350、後頭葉で0.753 0.246であった。一方、アルコ-ル症例(6例)においては同じく、0.552 0.478、0.535 0.465、0.690 0.2る7、0.672 0.328であった。正常例に比べてアルコ-ル症例では、前頭葉及び後頭葉で皮質の萎縮を、また頭頂葉及び側頭葉で白質の萎縮を認めた。
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