1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670261
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
飴野 節子 香川医科大学, 医学部, 助手 (00032904)
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Keywords | ハチ刺傷 / アナフィラキシ-ショック / venom IgG_4 / venom IgE / ELISA |
Research Abstract |
North Carolinaの田園地方における突然死10例をMedical Examinerで解剖し、その死因が外傷あるいは病死と報告されていたものについて、5種類のハチ毒に対するIgE抗体をvenom RAST(Radioallergo sorbent test)で検査したところ、半数以上は陽性反応を示し、insect anaphylaxisの可能性も疑われるという報告がある。香川医大も農村地域に所在し、戸外での突然死の検案や解剖をする機会も考えられるので、insect anaphylaxisのことも考慮して、ハチ毒に対するIgE抗体およびIgG_4抗体をアイソト-プを使用せずELISA法で測定し、死因を明きらかにするための基礎研究を行った。 救急病院より恵与された12例ハチ刺傷患者血清を試料とした。抗原としてのハチ毒は、日本産のものが入手不可能であったので、Sigma社製のbee venom、その主成分のphospholipase A_2およびwasp venomとして、Polistes apachus(スズメバチ種)、Dolichovespula arenaria(アシナガバチ種)およびアシナガバチ3種混液の5種類を用いて、Specific IgEおよびIgG_4抗体を測定した。12例の患者のアナフィラキシ-反応の程度は、Muellerのgradeにより分類すると、蕁麻疹、発赤などのgrade1が6例、嘔吐、下痢などのgrade2が4例、呼吸困難などのgrade3が1例、低血圧などのgrade4が1例であった。抗体については、何らかのvenomに対して有意に高いIgEが検出されたもの7例、同様にIgG_4に関しては3例、両抗体とも高かったのは4例、逆に両抗体とも有意差なかったもの2例であった。抗体と症状との関係はgrade4の例が12例中一番高いIgEを示したが、その他の例は症状との相関は見られなかった。最近報告されているnonーIgE mediateによるmast cell activationのrouteも考えられ、アナフィラトキシンのC3aをELISA法で測定できないか検討中である。
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