1991 Fiscal Year Annual Research Report
大気中浮遊粒子状物質の気道反応亢進作用に関する研究
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02670266
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 修二 静岡大学, 保健管理センター, 教授 (30010151)
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Keywords | 浮遊粒子状物質 / 培養ヒト気道上皮細胞 / サイトカイン / GMーCSF / LPS / 気道過敏性 |
Research Abstract |
(目的) 昨年度までに、2分間で1.1m^3の大気を吸引するエアサンプラ-を用いて採取した大気中浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter/SPM)を、長期間、ラットに経鼻的に吸入させると、SPMがμgのオ-ダ-でも、ラットの気道はヒスタミン(Hi)に反応するようになり、アナフィラキシ-性収縮後のHiに対する反応が亢進することを見いだした。今年度は、SPMのヒト気道上皮細胞に対する生物活性を調べた。 (対象および方法) 肺葉切除時に得られたヒト健常気管支片を0.1%プロテア-ゼ溶液中で4℃で18時間処理後、軽く振って上皮細胞を剥がしコラ-ゲンをコ-トした24穴のプレ-トに5×10^4/wellの密度で蒔き、ホルモン添加無血清培養液(Ham's F12 medium)中で培養。培養細胞が単層、均一になった時点で、2.5μg/mlから2.5mg/mlまでのSPM(SPMーI)を加え、48時間後の培養上清を採取した。上清中GMーCSF活性は市販のELISAキット(Genzyme社)を用いて測定した。また、ヒト気道上皮細胞の別のソ-スとして、adenovirusー12とSVー40のhybridvirusでtransformした細胞株である。BEAー2Bを用いて同様の実験を行った。 (結果) 1)ヒト正常気道上皮細胞は無血清培養条件下でGMーCSFを産生した。2)LPSはGMーCSF産生を増強させた。3)SPMはヒト正常気道上皮細胞からのGMーCSF産生を用量依存的に増強させた。4)SPMはヒト気道上皮細胞株BEASー2Bについても同様にGMーCSF産生を増強させた。 (結論) SPMは気管支喘息などアレルギ-性炎症疾患の病態において、アジュバントとしてIgE抗体産生を増強させるのみならず、直接気道上皮細胞に作用して、GMーCSF産生の増強因子として作用し、アレルギ-、炎症反応の遷延化に関与していることが示唆された。
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[Publications] Suzuki S et al.: "Rat trachea can react in vitro to histamine after treated in vivo with suspending particulate matter" Allergy&Clin Immunol News. Suppl1. 218 (1991)
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[Publications] 大利 隆行,他: "大気中浮遊粒子状物質(SPM)の試験管内ヒト気道上皮細胞に対する影響ーGMーCSF産生増強作用" アレルギ-. 40. 1101 (1991)
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[Publications] 鈴木 修二,他: "大気中浮遊粒子物質のヒト気道への生物活性" アレルギ-. 41. (1992)
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[Publications] 鈴木 修二: "大気中浮遊粒子状物質の気道反応亢進作用に関する研究実績報告書" 東京ブリン東印刷, 51 (1992)