1990 Fiscal Year Annual Research Report
MHCクラスIIIおよび近傍遺伝子の全身性エリテマト-デス発症に及ぼす影響
Project/Area Number |
02670270
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 啓一郎 東京大学, 医学部, 助手 (10090490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 二士夫 東京大学, 医学部, 助手 (70154979)
松多 邦雄 東京大学, 医学部, 助手 (80143436)
|
Keywords | SLE / C4 / Null allele |
Research Abstract |
日本人のSLE患者では白人とSLEと同様C4A null allele(C4AQo)の頻度は増加していたが、日本人のC4AQoのSLE患者では白人SLEで報告されているようなC4A遺伝子の欠失は1例もみられなかった。白人SLEの場合、C4AQoでC4A遺伝子欠失のみられる例では通常HLAーB8ーDr3 haplotypeを伴う場合が多いが、C4A遺伝子欠失のみられないC4AQo SLEではHLAーB8ーDr3を伴わないことが多いとされている。日本人ではDrー3陽性者はまれであることが報告されており、これが日本人のC4AQo陽性SLE患者では白人のようなC4A遺伝子欠失がみられなかったことと関係があるのではないかと考えられる(J.Rheumatol.17:1054ー1057,1990)。日本人以外の黄色人種でも同様の所見がみられるのか否かについて検討するため、台湾人のSLE患者40例および台湾の正常人の血液サンプルを取り寄せており現在C4AQoの頻度とC4A遺伝子の欠失の有無について検討中である。 C4AQoのSLE患者の各種の臨床所見をC4AQoをもたない患者と比較したところ、(1)C4AQoのSLEでは発症年齢が有意に若いこと、(2)抗Sm抗体の陽性率が有意に高いこと、(3)Lupus腎炎による蛋白尿、円柱尿の頻度が高く、BUNやCreatininも上昇する傾向がみられ、腎障害の頻度が多いことが明かになり、C4AQo陽性のSLE患者ではC4AQoをもたないSLEとの間で臨床像に違いなあることが明かになった。(投稿準備中) C4A遺伝子座の近傍にTNFα遺伝子がcodeされている。TNFα遺伝子にはRFLPにより多型が認められており、C4AQoとTNFαとの関連について検討を加えた。しかし、東大病院共通RI実験室が閉鎖されアイソト-プが使えなかったためdigoxigenin法、chemiluminescence法を用いてTNFαのRFLPを調べたが、RI法に比較して感度が低く条件設定に時間をとられ充分な数の症例数を検討することができなかった。
|
-
[Publications] H.YAMADA,A.WATANABE,A.MIMORI,K.NAKANO,F.TAKEUCHI,K.MATSUTA et al: "Lack of gene deletion for complement C4A deficiency in Japanese patients with systemic lupus erythematosus" The Journal of Rheumatology. 17. 1054-1057 (1990)