1990 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症モデルマウスを用いた腎炎発症機構に関する研究ーモノクロナルIgAの特性の検討を中心にー
Project/Area Number |
02670279
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武曽 恵理 京都大学, 医学部, 助手 (10190852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 英二 京都大学, 医学部, 助手 (80179605)
吉田 治義 京都大学, 医学部, 助教授 (80135574)
|
Keywords | IgA腎症 / gP70 / 多量体IgA / モノクロナルIgA / ddYマウス / DBA_2マウス |
Research Abstract |
(1)IgA腎症を自然発症するモデルマウスであるddYマウスの脾細胞とBalb/c由来マウスミエロ-マ細胞を融合しIgAを産生するクロンを20確立した。これらのうち二量体IgAを産生するものが大半を占め一部は多量体サイズのIgAのみを産生するクロンであった。又これらのモノクロナルIgAの荷電はpH4ー5の間を占める酸性領域でそのクロノタイプの幅は狭いものが多かった。 (2)これらのIgAの抗原特異性を確認する為、抗核抗体活性、抗DNA抗体活性、抗gP70活性を確認したところ、抗DNP活性を持つクロンを1個、抗gP70活性を持つクロンを3個確認した。 (3)抗gP70活性を持つ2個のクロン、AD6 6C1につき、これらが産生するモノクロナルIgAの腎炎惹起性を検討する為、正常マウスへの投与実験を行った。培養細胞より産生されるIgAを含む上清を濃縮しBalb/cマウス及び、gP70を血中に有するDBA_2マウスの腹腔に投与した実験では、血中のIgA濃度の上昇を認め、6C1クロン由来IgAを投与したマウスの一部に、メサンギウムへのIgAの有意な沈着を認めた。細胞を直接腹腔内に注入した実験では、AD6クロンの注入で著明な腹水の増多とともに血中IgAの上昇を認めたが、腎糸球体への有意な沈着はなく、むしろ間質への沈着が目立った。又6C1クロンの場合は腹水の増多がなく、注入細胞数の増量が必要と思われた。これらいずれのクロンでも、糸球体へのgP70の沈着は認められなかった。今後、腎炎惹起性に関連する要因を、IgAサイズ、荷電の面でも検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)